食品添加物で新型栄養失調 その2

新型栄養失調パート5 原因の4 食品添加物の中の化学調味料と栄養失調の関係です。

1.そもそも食べるメニューが偏っている。

2.パック野菜(カット野菜、水煮野菜)があふれている。

3.精製度の高い調味料

4.食品添加物

5.食材そのものの栄養価の低下

6.ストレス、消化機能、腸内環境・・・・・・・・・

そろそろ飽きてきたでしょうか?私も全く食品添加物を食べないのは無理と思います。でも、何も知らないで食べるのと、知ったうえで許容するのとでは雲泥の差です。だって、毎日何回も食べるのが食事なんですから。その積み重ねたるや・・・

そんなこと行ってちゃ食べるものなくなるじゃないか、精神衛生上よくないんじゃないの?なんて思う方は、とっくにこんなブログなんか読むのをやめておられると信じて、やっぱり書きます。

今日は、化学調味料のお話です。

ある辞書の記載を引用。「人工調味料の一種で,天然のうま味成分を工業的に生産したもの。現在は微生物を利用する発酵生産が多い。1908年にこんぶのうまみから発見されたグルタミン酸Naや、コハク酸Naがあるが,近年核酸系調味料として,かつお節のうまみ成分として発見された5′-イノシン酸Naと,しいたけのうまみから認められた5′-グアニル酸Naも用いられている。市販の化学調味料は,これらを混合して味覚上の相乗効果を高めた複合調味料が多い。」

天然の食材にもそれぞれ複数のうま味成分が含まれています。化学調味料は、発見されたもののうち、安価に化学合成できるようになった成分ですから、強い旨味があって当然。ほんの少し入れるだけで味がガラッと変わります。

大量生産大量消費時代には、前述のように、栄養とうま味の抜けた粗悪な素材が横行していますから、ドレッシングや加工食品には、安価で強い旨味を付加してくれる化学調味料が不可欠なんです。

でも、子どもの頃からならもちろん、大人になってからでも、その強すぎる旨味に慣れてしまうと、天然の素材の優しい複雑な旨味を感じる味覚が育たなくなって、本物のおいしさを味わうことができなくなります。もしかすると加工食品のミネラル不足の影響も重なってのことかもしれませんね。

特に成長期の子供が知らず知らずに味覚障害になると、好き嫌いが多くなって、ますます栄養が偏ってしまいます。

そしてさらに、だまされてはいけない表示があります。

「アミノ酸など」とは、複数の化学調味料をひっくるめてそう記載してよいことになっているのです。「アミノ酸」というと、栄養素ですから悪そうに見えないですが、その実上記の○○酸Naなどが多種類入っているんですよ。

よく調味料などに「無添加」と書かれている物を見かけますが、「酵母エキス」とか「○○エキス」と書かれている物、製造工程自体は化学調味料とほぼ同じ。成分的にも強い旨味の化学調味料と同様なのに、原材料が「食品」だから、食品表示上は「添加物」ではなく「食品」扱いなんです。

本当の意味で「無添加」にすると、食材がたくさんいるのでとてもコストがかさむのだそうです。

何度も言いますが、実際購入される際には必ず食品表示を見てみてください。

ヘルシーと人気のサラダチキン。スーパーにはビックリするほど様々な種類のサラダチキンが所狭しと並んでしますが、表示を見るとこの通り「。○○エキス」が何種類か、と「アミノ酸など」、と書かれています。鶏むね肉は確かにヘルシーかもしれませんが、こんなもの、ヘルシーと言っていいと思いますか?

いや、それでも巷にあふれる加工食品のなかでは、まだましなのかもしれないと思うと・・・・・

パート1でご紹介した煮干し出し粉やカツオ粉は天然の素材そのものであり、優秀なたんぱく源、ミネラル源でありながら、うま味の塊です。

売り物にするなら別ですが、ご家庭で、家族で召し上がるならば、化学調味料の代わりに今日から天然出し粉を粉ごとお味噌汁や煮物に入れてみましょう。だし昆布のかけらを一つ放り込むだけでもずいぶん美味しくなりますよ。

化学調味料は、直接栄養障害の原因になるわけではないかもしれませんが、味覚障害を招いて偏食の原因になります。

食品添加物で新型栄養失調 その1

新型栄養失調パート4 原因の4 食品添加物の中のリン酸塩と栄養失調の関係です。

1.そもそも食べるメニューが偏っている。

2.パック野菜(カット野菜、水煮野菜)があふれている。

3.精製度の高い調味料

4.食品添加物

5.食材そのものの栄養価の低下

6.ストレス、消化機能、腸内環境・・・・・・・・・

現代の日本人は1年に平均7㎏の食品添加物を食べているんだそうです。鶏卵に換算すると 140個分!! 考えただけでぞっとしませんか?明らかな加工食品はもちろんですが、調味料や乾物、お漬物、菓子類・・・成分表示をみると、食品添加物を使用していないものを探すのは至難の業です。

添加物を使用する理由は様々ですが、おおむね

 ①安く作れて ②保存でき ③手軽に使えて手間暇がかからず ④万人ウケするおいしい物     

大量に作って売るため、ですね。おかげで私たちは、美味しいものをいつでもどこでも手軽に安く手に入れて食べることができます。

ただし、それは自分の健康と引き換えに・・・と知っている人は何パーセントいらっしゃるでしょう?

今の世の中、添加物を一切摂らない生活は不可能です。そんなことばかりも言ってられませんし、気にし過ぎは精神衛生上よくないという方もいるでしょう。確かにそうですが、言っておきますが、売る側は(少なくとも薄利多売の営利企業は)消費者の健康の事なんかこれっぽっちんぽ考えていません。「気にしすぎ」と豪語する方も、病気になるなど痛い思いをすればおそらく考えが変わるでしょうが、それとても、それが一因であるとは病院の先生も教えてはくれません。

なぜでしょう?知らないからです!医学部には栄養学の講義は一時間もありませんし、ましてや食品添加物を学ぶ機会もありません。たまたま食材や食品添加物が原因の蕁麻疹が起こったりしたら話題になったり除去するように指導されるくらいです。さすがに蕁麻疹は食べてすぐに出るので因果関係が分かりやすいですから。

では、食品添加物の何がいけないんでしょうか?それはもちろん添加物の種類によりますが、代表的な添加物とその影響と、成分表示のルールについて書きたいと思います。代表的な食品添加物は2つ・・・

①リン酸塩

②化学調味料

①リン酸塩には、ポリリン酸Na、メタリン酸Na、ピロリン酸Na、メタリン酸K、ピロリン酸K と多くの種類があります。加工食品に広く利用され、色調改善・乳化・分散・弾力性・保水性などが買われて多用されています。「毒性が低いから使用制限がなく、比較的安価だからたっぷり使える。」のだそうです。

図1:伊藤當志男「日本人の食品添加物一日摂取研究
マーケットバスケット方式(25年のまとめ)」より

確かに、リン酸塩そのものは直接人体を傷つけるわけではありませんが、食品中のミネラルと結合して消化管を素通りさせる。つまり、ただでさえ摂取が少ないことが懸念される、せっかく食べたミネラルの吸収を阻害するんです。まずくないわけがありませんよね。これを毒性がないと言っていいんですか?と言いたいです。

現にこんな報告があります。図1のように1994年ごろを境にリン佐年の使用量が急激に増え続けていますが、

図2:全国小学校特別支援学級児童数
文部科学省特別支援教育資料総務省統計局資料より

それと時期を同じくして、全国小学校特別支援学級児童数が急激に増加しているんです。たまたまでしょうか?

鉄や亜鉛、マグネシウムは成長期に需要が多くなり、ただでさえ欠乏しやすいミネラルです。一方で神経伝達物質という、脳機能に重要な影響を与える物質の生成にもミネラルが必要です。成長期の子供の心身の発達に重要なミネラルが、食品添加物の影響で吸収しにくいとしたら・・・発達障害児が増加する可能性は十分あるというもです。

じゃあ、成分表示を確かめて、リン酸塩が入ってないものを選ぼう、と思ったあなた。そうです! 成分表示を見る癖をつけるって、ホント大事なんです。でも、ちょっと注意が必要なんですよ。

先に書いたように、リン酸塩にはいろいろ種類があり、色調改善・乳化・分散・弾力性・保水性などの「効能効果」があります。○○リン酸○○と書かれていればすぐにわかりますが、敵もさるもの、発色剤・乳化剤・増粘剤、軟化剤などとわかりにくく表示されていますからね。ナントカ剤のほとんどはリン酸塩と思っていいかもしれません。

例えば、右の表示、赤四角で囲った「膨張剤」「イーストフード」「pH調整剤」「メタリン酸Na」も全てリン酸塩。ついでに言えば、トランス脂肪酸とは書かれていませんが、マーガリンショートニングがばっちり入っていますし、人工甘味料ソルビトールもしっかり入っています。スナック菓子よりはいいと思っちゃいますし、何なら朝ごはん代わりに子供がよく食べそうじゃないですか?

ちなみに通常主原料と添加物の間にはスラッシュ「/」が入っていることが多いのですが、おそらくそのかわりに「○○を主原料とする食品」と書いていますね。添加物は後半に書く決まりなんです。

これはもちろん、このメーカーだけに限った話ではなく、他の似たような商品も似たようなものです。

食品添加物の代表、リン酸塩で起こるミネラル欠乏、これも新型栄養失調の大きな原因なのです。

次は、化学調味料のお話です。

調味料で新型栄養失調

新型栄養失調パート3です。 しつこいですが、新型栄養失調は以下のような原因によると書きました。

1.そもそも食べるメニューが偏っている。

2.パック野菜(カット野菜、水煮野菜)があふれている。

3.精製度の高い調味料

4.食品添加物

5.食材そのものの栄養価の低下

6.ストレス、消化機能、腸内環境・・・・・・・・・

今回は、3.精製度の高い調味料 の話です。便宜上、「油」を調味料としてお話します。

「精製」というのは、ある食材から不純物を取り除き、目的の素材を取り出すこと、と言えばわかりやすいでしょうか? 代表は白米と白砂糖と食用油と塩。

白米が玄米を精製して栄養価が低下したもの、という事はよくご存じかと思います。え?それも知らない方いらっしゃいますか? またいつかお米についても述べたいと思いますが、ここでは、精製された調味料のお話をしたいと思います。

サトウキビや甜菜糖から取り出して作る黒砂糖もサトウキビに比べれば甘い糖の成分だけを取り出して精製したものといえますが、そこからさらにミネラルなどの「不純物」(栄養分)を除去したものが白砂糖です。雑味がないのでお料理の味が上品になり、お菓子つくりにも好都合。ですが、それと引き換えに精製すればするほど栄養価が失われていくんです。以前お伝えした「砂糖そのものの害」は言うに及ばず・・・

油は種子など脂質の多い植物の成分から油だけを取り出したものです。これも精製度が高くなればなるほど透き通ったきれいな色、すっきりした(単調な?)味、変色(酸化)しにくいなど、保存、販売するうえで大きなメリットになります。そして、それと引き換えにやはり精製すればするほど栄養価が失われます。油はその原料や精製過程においても色々問題がありますが、今日はミネラルの話なので、それはまたいつか・・・

塩分は高血圧の敵、ですが、それは簡単に言えばナトリウムが血圧を上げる方に働くからです。体の必須ミネラルは食事から取り入れますが、同じ微量栄養素のビタミンとの大きな違いは色々ありますが、ここではバランスが大事という事が重要です。

体内でナトリウムと拮抗するミネラルはカリウム。吸収の際に競合したり、働きを牽制し合う仲なので、カリウムの多い果物や野菜を摂ればナトリウムの働きが緩和され、血圧が低下します。また、血管が収縮すると血圧が上がりますが、血管や筋肉の収縮にはカルシウムが大きな役割をはたしていて、カルシウムの暴走を抑えるのがマグネシウムです。

このように血圧一つとっても、塩分(ナトリウム)以外のミネラルもバランスよく摂ることで、安全に有効に働き、体の調節を適切にしてくれているのです。

お塩の話に戻ります。天然のお塩は海水を乾かして取り出した結晶ですね。岩塩は岩から採掘しますが、もとはと言えば太古の火山ガスと岩石に機微でできたもので、ヒマラヤマグマソルトなんて言う岩塩、ありますよね。その岩塩が海に運ばれたものが海水の塩分と考えられているようです。

一方、原始の地球上の生物は海から生まれ、進化と共に一部が陸に上がってきました。生命の誕生や進化も塩と同様、地球の営みの一部なのです。海から生まれた生物の体で働くミネラルの組成が海水の組成に近いというのも納得できますね。だから、私たち地球上の生物にとってお塩は、生きて行く上で不可欠なミネラルの原料の宝庫です。「敵に塩を送る」という言葉にも表れているように、昔はお塩は貴重なものでした。摂りすぎる心配なんてなかったんです。

ところが、海水ではなくて工場でNaClを精製するようになり、塩がそう貴重ではなくなりました。その結果、私たちは塩をふんだんに使う味に慣れ親しんででしまいました。でも、工場で科学的に作られたNaClには、天然のお塩には含まれていたNa以外のミネラル、マグネシウムやカリウム、リチウム、ケイ素、カルシウムなど微量なミネラルが失われました。おまけに食品添加物であるリン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウムなどNaを含む加工食品が巷に多くあり、Naばかりを過剰に摂るようになってしまったんですね。それが「塩分を減らせ」となってしまった大きな理由です。

体の組成に比べれば確かに海水にはNaが多いのは事実で、摂り過ぎはいけませんが、微量ミネラルがなくなってしまった「食卓塩」、さらには微量ミネラルがなくなって味に深みがなくなったNaClに化学調味料を加えた「NaCl」、そして化学調味料のNaこそ、本当に止めなければならない「塩」なんです。

精製され過ぎた調味料がミネラル不足の一因であることが分かっていただけたでしょうか?新型栄養失調のお話はまだまだ続きます。

パック野菜、コンビニ弁当で新型栄養失調 

新型栄養失調パート2です。 前回、新型栄養失調は以下のような原因によると書きました。

1.そもそも食べるメニューが偏っている。

2.パック野菜(カット野菜、水煮野菜)があふれている。

3.精製度の高い調味料

4.食品添加物

5.食材そのものの栄養価の低下

6.ストレス、消化機能、腸内環境・・・・・・・・・

今回は、2.パック野菜(カット野菜、水煮野菜) の話です。

パック野菜って、ネーミングはともかく、見たことがないという人、ほとんどいませんよね。ここ10年ほどの間にスーパーの陳列棚には所狭しとたくさん並ぶようになりました。女性の社会進出に比例して、毎日使ってます、という人も多いかもしれません。何しろ便利ですもん。忙しい主婦が仕事帰りに買って帰って、まな板、包丁を使うことなくお鍋に投入し、味付けすれば筑前煮だってカレーだって簡単に出来るし、おいしそう。サラダなんて食器に移すだけで一品完成!手抜きなんて言わせません。

水煮野菜パック
カット野菜パック

でも、その「便利」に落とし穴があるって、ご存知ですか?

水煮野菜は、皮を取り除き、切ってゆでたもの。カット野菜は切って十分洗浄し、多くは漂白されています。

コンビニ、ファーストフード、お惣菜の多くが使用しているのも、人件費が節約でき、安く見栄えのよい商品が作れるからなんです。それのどこが悪いの?と思ったあなた、おうちで切ったお野菜がタッパーに入れたり冷蔵庫で保管する間に切り口が茶色くなった経験、ありませんか?

豪華なコンビニ弁当

茶色い色は、ミネラルが酸化した結果。水にさらしたりゆでたりすると色が変色しにくくなるのは、ミネラルが抜けるから。つまり、ゆで汁や洗浄水と共にに栄養素は排水溝へ流れて行ってしまうんです。

こんな豪華なコンビニ弁当の色がいつまでもきれいなのは、ミネラルが抜けているから。お野菜が彩りよく入っていていかにも栄養バランスがとれてそうですが、毎日こんな食事をしていると、ビタミンやミネラルが欠乏して当然なんです。

今や絶版になって古本でしか手に入りませんが、「食事でかかる新型栄養失調」にはコンビニやファストフードの食事にいかにミネラルが欠乏しているかが、とても分かりやすく書かれています。

どうしたらいいでしょう?

そりゃあ、野菜を丸ごと買ってきて自分で切るのがベストです。それができる人は是非そうしてください!

それがどうしてもできない人も、簡単なことで、栄養素の不足を少しは補うことができます。

①出し粉やちりめんじゃこ、のり、ゴマなどをご飯に混ぜ込んだり、お浸しに振りかけたりしてミネラルを補う。ついでにタンパク質やビタミンも補えちゃいます。これ、お勧めです!!

(ただし、ここで添加物だらけのふりかけを使うと、近々ご説明するパート4.食品添加物 に抵触します(笑)市販のふりかけを購入するならば、成分表示を確かめて無添加の物を選んでくださいね。「無添加」とうたっている物にも落とし穴がありますけど・・・長くなるので、それに関しては後日・・・。)

②生野菜はなるべく切ってないものを選ぶ。カット野菜で切ってないもの、って変な話ですが、細かく切ってあるものほど当然切り口の面積が大きくなりますから、より栄養素が抜けやすくなります。なるべく大きなもの、切ってないもの、できれば洗ってない物を選ぶんです。ベビーリーフやスプラウトはお勧め。栄養価も高いです。

でも、ミネラルとは関係ないですが、できればやっぱりプラスチック袋や容器に入っていないものを選びたいです。大量のマイクロプラスチックによる海の汚染が重大問題になりつつあります。私たちの代では何とかごまかせるかもしれませんが、子どもや孫世代にまで美しい地球環境を残してやりたいと願うのは、私だけではないはず。

個人のチカラは小さいですが、みんなが少しずつ知って選んで実行すれば、大きな力になるはずと信じているのです。

プラなし生活 | プラスチックを減らす・なるべく使わない生活 (lessplasticlife.com)

新型栄養失調って知ってますか?

栄養失調というと、難民キャンプで食べるものもなくやせ衰えている気の毒な人たち、食欲が低下してがりがりになったお年寄り、みたいなイメージありますが、現在の日本人の少なくない人が栄養失調と言えば驚かれますか?

現在は、料理をしなくても出来合いのお惣菜やお弁当がたくさんあって、生鮮素材を買って調理することがばかばかしくなるくらい、安価で簡単に手に入りますよね。炊飯器や包丁を使わない家庭も結構あると聞いても、最近はびっくりしなくなりました。

でもその便利の陰に、「新型栄養失調」という状態があるのをご存知でしょうか?摂取カロリーは十分(もしくは過多)なのに、ビタミン、ミネラル、食物線維が極端に欠乏した状態です。一応エネルギーはとれているので、本人は気づかない間に進行するのです。体格も痩せているとは限らず、むしろ太っていたり、脂肪肝があったり・・・

で、自覚症状がないのかと言えば、まったくそんなことはなくて、疲れやすい、風邪をひきやすい、イライラするというようなものから、アレルギーや自己免疫疾患、癌などの疾患に発展することもあり得ます。ご本人が病気と思っていないか、食べ物が関係あるなんて思っていないだけなんです。

何年か前にはNHKでも取り上げられ、非常に重大、深刻な事態なのに、企業を敵に回したくないマスコミは大々的には報道しないのかもしれません。世の中には知らない事による不利益がいっぱいあるのです。

ここで、栄養学基本の復習を。まず3大栄養素は①炭水化物 ②タンパク質 ③脂質 これらはエネルギーになる栄養素です。なんといっても生きて行くためにもっとも重要なのはエネルギーです。次に④ビタミン ⑤ミネラルを加え5大栄養素 摂取した3大栄養素からエネルギーをとり出して使えるようにしたり、体の様々な機能を円滑に行う潤滑油のような働きをするものです。さらに最近は腸内細菌が健康維持や多くの病気の発症・予防に深く関与することが分かってきて、6大栄養素として腸内善玉細菌のエサになる⑥食物線維 が加わりました。

6大栄養素をバランスよく摂るのが健康的な食生活において、もっとも基本的で重要な事です。

新型栄養失調の話に戻ります。新型栄養失調が起こる大きな原因はといえば・・・

1.そもそも食べるメニューが偏っている。

2.パック野菜(カット野菜、水煮野菜)があふれている。

3.精製度の高い調味料

4.食品添加物

5.食材そのものの栄養価の低下

6.ストレス、消化機能、腸内環境・・・・・・・・・

あげればきりがありませんので、このくらいにしておきます。

今日は1.そもそも食べるメニューが偏っている。について書きたいと思います。

私は皮膚科医ですので、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬など、原因が明らかでなく難治な慢性疾患の患者さんを多く診察してきました。しかも、近隣のクリニックから紹介されて来られるので通常の治療に抵抗した重症の患者さんたちです。薬で治療することに限界を感じたある時から、その患者さんたちの食事を詳細に問診するようになりました。

すると、多くの患者さんが、朝食:パンとコーヒー、昼食:麺類、夕食でやっとご飯とおかず、おやつに甘い物、と回答するんです。朝、昼に食べているのはほぼ炭水化物だけ。大雑把に言えば、タンパク質と野菜が圧倒的に足りていませんね。

すでに病気になっちゃった、しかも治りにくい人の調査だからそうなのか、と思いきや、元気そうな人に聞いても結構こんなパターン多いんです。「元気そうな」と言ってもよくよく聞くと、花粉症だったりアトピーや喘息、便秘、何らかの体調不良をあまり病気と思わずにいるヒト、多くないですか?かく言う私もかつてはひどい花粉症や便秘に悩まされたこともありました。

皆さん、タンパク質って1日にどのくらい摂ればいいと思います? 厚生労働省の摂取基準は体重1㎏あたり1g(以上)。体重50㎏の方だと50gです。お肉50gくらい簡単♪と思ったあなた、お肉は蛋白源ですが、100gの赤身牛肉に含まれるたんぱく質は約20gなんですよ。納豆100gだと15g弱。鶏卵100gで約13g。100gのステーキなら1日3回、一般的な1パック50gの納豆ならば1日約7パック、1個50gの卵に換算すると1日約8個です。

切り身魚と冷ややっこ

1食のタンパク質の分量の分かりやすい目やすは、”パー” 片手のひらいっぱいに乗るくらいの量です。例えば・鶏むね肉ステーキ1枚、・切り身魚と冷ややっこ、・納豆1パックと卵1個 そのくらいを「1食」に摂るイメージ。

どうでしょう?50gのタンパク質、とても 1食では摂り切れないですよね?逆にそんなにいっぺんに摂ったら胃腸の負担が大きすぎてかえって体調が悪くなる人もいそうです。

両手のひら山盛りの野菜

野菜はヘルシーだから食べなきゃと思っている人多いと思いますが、生野菜だと水分がほとんどです。ちょびっとのサラダではほとんど摂れていないと思っておいた方がよさそうです。

野菜の種類や調理方法など難しい話は抜きにして、お野菜の1日の分量の目安は”両手のひら山盛り” と覚えておきましょう。

ただし、流行りのパック入り、洗わずに食べられるサラダ野菜となると・・・長くなるので、これは次の「2.パック野菜があふれている。」に譲ります。

タンパク質は英語で”proteine”  古代ギリシャ語 proteios(ギリシャ神話の海神の名であり、最重要のもの・第一のものという意味)が語源。「生物にとって最も重要なもの」という意味です。タンパク質は私たちの体の形を作るだけでなく、免疫、運搬、代謝など生命維持に必要な機能のほとんどを担う重要な栄養素です。

それだけでなく、たんぱく源とは、もとは動物の体や植物の種であり、生命体ですから、それらの生物が生きて行くために必要な脂質、ビタミン、ミネラルも多く含まれているのです。

また、野菜も植物=生物ですから意外とタンパク質を多く含むものもありますが、なんといってもビタミン、ミネラルはもちろん、食物線維が豊富な食材が多いですよね。

献立にタンパク質と野菜を意識して取り入れると、おのずとビタミン、ミネラル、食物線維が摂れる。つまり6大栄養素が摂れるんですよ!

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さあ、今日から、毎食の献立に必ずちょっとでもタンパク質と野菜をつけるようにしてみましょう。・ゆで卵1個とトマトとか、・豚肉とブロッコリーに塩コショウをまぶしてレンジでチン とか、簡単なものでもいいんです。毎日続けることが大事。2か月くらい続けたら、きっと何か体調の変化に気づくと思いますよ。

牛乳をやめなさいと言ったら?

以前、グルテンフリーのことを書きました。

実はジョコビッチ選手、カゼインフリーという食事法も併用していました。カゼインとは牛乳に含まれるタンパク質の一種。カゼインはグルテンと化学構造がよく似ていて、グルテンアレルギーがあるとカゼインにも反応してしまう事少なくないようです。それ以外にも牛乳を飲まないほうが良い理由、たくさんあると言ったら、驚かれますか?

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「乳製品はカルシウム豊富なので骨に良い」「ヨーグルトの乳酸菌は腸に良い」と言われるので、あまり好きではないのに頑張って摂っている人も多いはず。でも、乳製品業界からおしかりを受ける覚悟で、分子栄養学的に乳製品が好ましくない理由を敢えて述べたいと思います。

①乳糖不耐症の問題

②ミネラルバランスの問題

③タンパク質の問題不耐症

④依存性の問題

①牛乳を飲むとお腹がゴロゴロいうので飲めないと言われる方、結構いらっしゃいますね。これは乳糖不耐症。乳糖を分解する酵素は赤ちゃんの時にはありますが、加齢と共に減っていきます。日本人の成人には乳糖分解酵素を持っていない人の方が多いので、牛乳が合わない体質の方が多いのです。発酵したヨーグルトならば、乳糖の害は少なくなります。

しかし、そもそも牛乳は牛のミルク。大人になってミルクを飲む生物は地球上で人間だけなんですって。確かに野生の哺乳類が別の哺乳類のお母さんのおっぱいを吸ったり、ましてや搾乳するなんて、想像しにくいですね。

②でもカルシウム豊富という点、これはホント。骨粗しょう症の診断によく使用される骨密度は、一定容積の骨に含まれるカルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分の量です。これが低いと骨粗しょう症のリスクが高まるとされています。確かにカルシウムをたくさん取れば骨密度、上がりそうです。

でも、骨はミネラルのみ、増してやカルシウムだけでできているのではありません。

骨の成分として、まずミネラルに限って言えば、カルシウム(以下Ca)と共にマグネシウム(以下Mg)やリン、亜鉛が必要です。リンは幸か不幸か食品添加物に多く含まれ、欠乏することはあまりありませんが、Mgや亜鉛には血糖や血圧調節作用、エネルギー産生など重要な体の機能に不可欠なミネラルであるにもかかわらず、比較的欠乏しやすいミネラルなんです。

CaとMgの摂取比率の理想は1:1ですが、牛乳のCa:Mg比はなんと10:1。Caが多くていいじゃないか、と思われるかもしれませんが、MgはCaの暴走を抑えるなだめ役。Caが適切に骨に利用されるためにも必要不可欠なのです。

Mgに対しCaが多すぎると上手く骨に取り込めなかったCaが皮膚や血管などに沈着(異所性石灰化)し、それぞれの場所で悪さをします。皮膚なら潰瘍を作ったり、血管なら閉塞(心臓なら心筋梗塞、脳なら脳梗塞ですね)の原因になったり・・・そして結果的に骨はもろくなってしまいます。乳製品を多くとる国では骨粗しょう症が多いというデータもあるんですよ。

③また、骨はミネラルだけでできているのではありません。コラーゲン(タンパク質)も必要。ミネラルがコンクリートとすればタンパク質であるコラーゲンは鉄筋のようなもの。両方あってこそ強度の強いかつ、しなやかな骨になるというものです。

骨密度はミネラルを測るものですから、検査では骨が強いと太鼓判を押されたのにコラーゲンが足りないために骨折するという事もあるかもしれません。Caに気をとられてばかりはいられないのです。

③乳製品のタンパク質源としての役割はどうでしょう?牛乳のタンパク質は80%がカゼイン、のこり20%がホエイです。その中のカゼインですが、牛乳はカゼインの中でもαカゼインを多く含みます。人間の母乳にはαカゼインが著しく少ないという事が分かっています。

私たち人間にとってこのαカゼインはグルテン同様非常に消化しにくいタンパク質であり、腸粘膜を傷つける成分を出します。また消化されなかったタンパクは腸では腐敗して有害物質を出したり、異物と認識されて腸にあまたいる免疫細胞の標的になり、腸にアレルギーや炎症を起こす原因にもなり、リーキーガット症候群を引き起こす一因と言われます。

④最後に乳タンパクのカゼインはカソモルフィンというモルヒネによく似た作用の物質を出し、脳の機能に影響を与えます。もちろん中毒性、つまりやめたくてもやめられない性質もあるというわけです。

Caは牛乳から摂取しなくても、煮干し、桜エビ、海藻、豆類のほか、青菜や青ネギ、ニラなどの野菜にも意外と多く含まれています。また、骨は運動や骨への刺激(地面を踏みしめる)によっても強くなります。

たまに乳製品を楽しむくらいならよいのですが、背を伸ばしたくて、あるいは骨粗しょう症予防のためと毎日大量の牛乳を飲むのは危険です。ヨーグルトとて、乳糖問題は減りますが、カゼインは含まれています。

少なくとも、好きでもないのに頑張って摂るのはやめましょう!「Caを摂りたいならば、出来るだけ乳製品以外で、Mg、亜鉛、タンパク質も一緒に摂ることが重要」と覚えておきましょう。

MCTオイルをぜひ取り入れてみて!

MCTオイル(中鎖脂肪酸)ってご存知でしょうか?美容・健康に関心の高い方ならばご存知と思います。腹持ちが良いことと、消化吸収に優れエネルギー源になりやすく、内臓脂肪となりにくいことより、ダイエット目的に摂取するというのが注目されています。

主にはココナッツナッツオイルから炭素数8のカプリル酸、炭素数10カプリン酸を抽出したものです。

このオイル、無味無臭。ココナッツオイルの独特の香りが苦手な方でも召し上がりやすいですが、お味噌汁、お浸し、肉や魚などあらゆる料理の味をグレードアップさせる優れもの。私は仙台勝山館のMCTオイルを愛用しています。

いえいえ、優れているのはいわゆるダイエット効果とお味だけではなく、多くの医学的効果が証明されているのですよ!たとえば・・・

•エネルギーになりやすい •ミトコンドリアの再生と増殖 •抗菌・抗真菌作用 •抗炎症作用 •抗肥満作用・減量効果 •内臓脂肪の抑制 •乳酸の低下 •体脂肪になりにくい •抗てんかん作用 •運動パフォーマンス向上 •過食の予防 •インスリン抵抗性の改善・基礎代謝の向上・抗がん作用・褐色細胞組織による熱産生・腹持ちが良い・低血糖の予防効果・不安行動の減少・アルツハイマー症状の改善・自閉症行動の改善・コレステロール値の改善・心臓保護・血糖値の改善効果・免疫機能の調節  など

どうですか??

糖質は控えたいけど、糖質がないとエネルギー切れを起こしやすい人、脂肪肝や高脂血症のある方、糖尿病の方、ちょっと高価なオイルではありますが、一石〇鳥!液状のオイルの他、チューブ入りのペースト、パウダータイプなどもあり、液状タイプなら食卓においていろんなお料理に直接かけてお味をグレードアップしましょう。パウダーなら卵焼きやご飯に混ぜても良し。

副作用は、いきなり取りすぎると下痢する人がいるので、小さじ一杯くらいの少量から始めましょう。あと、血糖や脂質を下げる可能性があるので、糖尿病や脂質異常症などで投薬を受けている方はこまめにチェックして下がりすぎにご注意。主治医の先生にお伝えしておくのが良いでしょう。

飽和脂肪酸で安定性はありますが、炒め物、揚げ物などでは煙が出るので直接加熱はやめましょう。混ぜて焼くとか熱い汁ものに垂らすのはOKです。

砂糖は麻薬

「甘い物を食べると幸せ~」と言いながら「甘いものは別腹」とケーキを頬張るなんて言う事は、自分にもありましたし、よく見聞きすることですね。砂糖を食べるとなぜ幸せになるのか、砂糖がなぜやめられないのか、砂糖を過食するとどうなるのか、というお話です。

ビタミンミネラルなど大事な栄養素は含まれず、エンプティー(空の)カロリーと言われている白砂糖。体に良くないことは、多くの人は既に知っています。特に、摂りすぎると、肥満や糖尿病を招く事は有名です。その他、栄養療法的には血糖値の乱高下、精神疾患、腸内環境の悪化(免疫異常)の原因となり、避けたい食品の代表なのです。

では白砂糖の代わりに人工甘味料だったら、摂っても問題はないのでしょうか?白砂糖や人工甘味料が及ぼす影響、そしてどんな甘味料をどのように使ったらよいか、について書いてみます。

まず初めに、「精製砂糖」とはどういった砂糖のことを言っているのか。

砂糖の種類(砂糖の種類によるミネラル量の違い)

原料によって、

・甘蔗糖(かんしょ糖)

・甜菜糖(てんさい糖)

・やし糖(ココナッツシュガー)

色によって、白砂糖・赤砂糖・黒砂糖などと分類できます。

甘蔗糖(かんしょ糖)は「サトウキビ」から作られる砂糖です。

サトウキビの主成分であるショ糖と蜜を分けずに作られるのが、「黒砂糖(黒糖)」です。

黒砂糖から蜜を除き精製することで、「ショ糖」が主成分となるのが「精製砂糖」(上白糖、グラニュー糖、三温糖など)です。

黒砂糖(黒糖)には、蜜由来の豊富なミネラル成分が含まれますが、白砂糖(上白糖、グラニュー糖、三温糖)には黒砂糖のようなミネラルは含まれません。

スーパーで見かける「きび糖」や「粗糖」という砂糖もありますが、これは黒砂糖の不純物を少しだけとりだして、ミネラルを少し残している砂糖です。精製された(不純物を極力取り除いた)白砂糖や三温糖と、精製されていない黒砂糖の中間位置的な砂糖となります。

甜菜糖(てんさい糖)はビート糖ともいわれ、「砂糖大根」を原料にして作られる砂糖です。サトウキビが原材料の甘蔗糖(かんしょ糖)と本質的には変わりはありません。サトウキビは九州や沖縄で栽培されますが、砂糖大根は主として北海道で栽培されています。

これらの砂糖は糖質だけを植物から取り出した精製されたもので、精製されればされるほど、ミネラルなど糖以外の栄養素がなくなっていきます。砂糖は生成されるほど吸収が早く血糖値を急上昇させることで、以下のような害がおこります。

その1 低血糖症の問題:お米やイモ類のようなデンプンと比べると、分解・吸収速度が早く、急激な血糖値上昇がおこり、血糖を下げるインスリンは食事スタート時よりも、一歩おくれて分泌される特徴があります。

お米などの多糖類のように、分解されるのに時間がかかる食品であれば、通常のインスリン分泌のタイミングでも間に合います。しかし、一気に飲むブドウ糖入りのジュース、白砂糖のように吸収速度の速い食品では、インスリン分泌が間に合わず、急激に血糖値が上がってしまうのです。

さらに、遅れて分泌されてしまったインスリンの影響で、今度は血糖値が下がりすぎてしまい、低血糖の症状として体調が悪くなってしまうことがしばしばあります。低血糖症の症状では、頭がぼーっとすることで集中力の低下、頭痛、激しい眠気などがおこります。ひどい場合は、意識がもうろうとして倒れてしまうことさえあります。

その2 精神面への影響:血糖値が下がりすぎると、今度は急いで血糖値を上げるために、アドレナリンやノルアドレナリンという血糖を上げるホルモンが分泌されます。アドレナリンは興奮作用があり、過剰の場合はイライラ感やキレやすくなることもあります。また、ノルアドレナリンの過剰は不安感や恐怖感が生じます。現代の精製された砂糖の普及が、キレやすい子供を増やしていると警鐘を鳴らす専門家もいます。

うつ病で治療している人の中でも、実はうつ病ではなく、精製された砂糖の過剰摂取による低血糖症が精神疾患の原因だったという人は少なくありません。こうした人は、精製された砂糖をやめるだけで、症状が落ち着いていくことがあります。

その3 肥満や糖尿病の問題:肥満にも、インスリンが影響しています。人間は血糖値が下がると、血糖値を上げるために、空腹を感じる仕組みとなっています。砂糖を摂取後、急激に高血糖となり、その後インスリンが働き血糖値が低下します。血糖値は下がりすぎると、空腹を感じて、手っ取り早く甘い物を食べてしまい、再び急激な血糖値上昇と低下の乱高下が繰り返されて、食欲の無限ループが続いてしまいます。これが、砂糖を沢山摂ることで、過食傾向となる理由です。

また、インスリンは脂肪を体内にため込む働きがありますので、インスリン分泌が過剰になるような食生活では肥満へ一直線です。内臓脂肪が増えてくると、「インスリン抵抗性」といってインスリンが効きにくい体になってしまうのです。

こうなってしまうと、通常のインスリン量では、血糖値は下がらなくなりますから、インスリンを分泌している臓器である膵臓(すい臓)がインスリンを沢山分泌しようと酷使され、膵臓(すい臓)が疲れきってしまうと、今度はインスリンが出にくくなる糖尿病(2型糖尿病)になってしまいます。

その4 腸内環境の悪化:砂糖は腸内悪玉菌の好物です。腸内の悪玉菌が優位になることで、腸内の異常発酵(肉などのたんぱく質を餌に、腸内微生物によって毒素が産生される)が繰り返されていき、より一層、腸内に「カビ・酵母菌」や「悪玉菌」が増えるというような悪循環になっていきます。この「カビ・酵母菌」の代表が、「カンジタ菌(カンジダ菌)」です。

腸内のカンジタ菌が増えすぎると、・頭に霧がかかったようになり、集中力の低下をまねく  ・腸内環境の悪化、便秘や下痢  ・異常な眠気やだるさ、食後の眠気 ・甘い物の渇望  ・アトピーやニキビ、肌荒れ、その他アレルギー ・免疫低下 ・ガン ・うつ病 ・疲れやすい など様々な症状が起こります。

カンジタ菌が一度体内で増えてしまうと、さらに甘いものへの欲求が強くなり、さらなるカンジタ菌の増殖につながるという悪循環におちいるのです。

その5 骨や歯への影響:砂糖のような酸性食品を多く摂取すると、体内では中和しようととアルカリ性である「カルシウム」が骨や歯から溶け出してしまいます。すると骨や歯が弱くなり、骨粗しょう症や虫歯の原因となります。

その6 強い依存性:マウスの実験です

  • 砂糖水を与えて3日後には麻薬のヘロインやモルヒネと同じ脳内麻薬(陶酔、高揚、幸福感、鎮痛効果のある脳内麻薬Bエンドルフィン、やる気の源ドーパミン)が分泌され、
  • 味をしめて摂取する量がどんどん増え、1日24時間寝る間を惜しみ砂糖水を摂取するようになった。
  • コカインよりも高い依存性を示し、中止すると麻薬中毒者と同じ狂暴化するという離脱症状を認めた。・・・・・・・なんだか身につまされませんか?

では、血糖値を上げないと謳っている人工甘味料ならいいのでは?と思いますよね。ここまで読んでもやっぱり甘いものは何とかして食べたいですか?次は人工甘味料についてのお話です。

人工甘味料とは、人工的に合成された甘味料のことをいい、砂糖よりも甘味が強く、少量で強い甘さを出すことができるため、清涼飲料や炭酸飲料、ガムなどに多く使われています。

代表的なものでは、「アスパルテーム」というカロリーゼロの人工甘味料があります。砂糖の200倍の甘さです。最近では「特定保健食品(トクホ)」にも入っていたりと、血糖値を上げないので、魅力的に感じ購入されている人もおられるかと思います。他には、アセスルファムカリウムやスクラロースという人工甘味料も有名です。

これらの人工甘味料は、強い甘味に舌が慣れてしまう事で甘味を感知する感覚が衰えて、ますます甘いものを食べすぎてしまうことがあります。皮肉なことに甘いものへの依存性が強まります。ダイエット目的で人工甘味料を使い、脳や舌が麻痺してしまい、結局別の甘いものを過食し、かえって太ってしまう人もいます。人工甘味料の腸内細菌を乱す作用も肥満の一因と言われます。

その他人工甘味料には発がん性、脳神経に対する強い興奮作用があり、癌やうつ病、認知症、自閉症を悪化させる可能性があることが分かっています。ダイエットや健康ブームにより、人工甘味料入りの健康飲料などが普及していますが、まったく健康とは程遠い飲料。どうせ甘い物をとるなら、砂糖のほうがまし。

そこで対策です。

白砂糖と人工甘味料を避けるために、避けるべき食品は・・・

砂糖・人口甘味料入りの食品

・市販のおかし、スイーツ全般

・加工食品全般(ハンバーグなどのソース、甘い味付けの調理済食品など)

・お惣菜(特に、酢の物や和え物、煮物、照り焼きなど)

・清涼飲料水、スポーツドリンク、栄養ドリンク

・市販のタレ(焼肉・生姜焼き・すき焼きのタレ)

・市販のドレッシング、ポン酢、ソース、ケチャップ、みりん風調味料などの調味料

・外食全般

精製飲料水やドレッシングに「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」などの表示はとても多いです。「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」はものすごく吸収が早いため、危険な糖類です。飲料に入っていれば、噛まずに胃から腸への流動スピードもはやいのは当然です。ですから、水分補給は水かノンカフェインのハーブティーなどで摂取しましょう。

残業続きでお疲れ気味の方、お仕事のもうひと踏ん張りに、「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」を飲まれる方、そのビタミンやタウリン入りの栄養ドリンクにも、飲みやすくする為に糖類・人工甘味料が入っていますので、要注意です。もし、ビタミンやタウリンを摂るのであれば、ドリンクタイプではなく、品質の良いサプリメントで摂るようにしましょう。

「みりん風調味料」には水あめやブドウ糖果糖液糖などの糖類が含まれています。ですので、必ずもち米、米麹と焼酎のみで製造されている「純本みりん」を選ぶようにしましょう。

砂糖を完璧にゼロにするのは不可能ですが、出来る限りご自分で調理、加工食品なら裏の成分表示を必ず確認して選ぶようにしましょう。

外食の選び方のポイントです。

・やきとり→タレではなく塩に

・魚やお肉料理→甘い味噌煮・照り焼き・すき焼きではなく、塩焼き・麹や出汁で素材の味を生かしている味付けの料理を選ぶ

・しゃぶしゃぶ→ ゴマダレは使わないで、出汁と柚子胡椒などで

・主食→すし飯には大量の砂糖が入っているため、普通の米に

・デザート→ケーキ・お饅頭・アイスではなく、季節のフルーツに

ほんの少し確認をして選び方に気を付けるだけで、外食であっても砂糖の量は減らせます。

砂糖の選び方、代用品は・・・

「砂糖」を選ぶポイントとしては、「精製度が低いもの」です。

つまり白砂糖より本物のはちみつ(★)や黒砂糖、粗糖、ココナッツシュガーなどを選ぶと、白砂糖と比較してミネラル量が多くなります。

調理可能な方であれば、砂糖の代用品として、是非、「羅漢果(ラカンカ)」という天然の甘味料を使用してお料理をしてみてください。人工甘味料とはちがい、天然由来(ウリ科の植物)の甘味料です。主成分が「テルペングリコシド配糖体」という食物繊維で血糖値に影響しません。(注:市販の「ラカント」はほとんどが糖アルコールで、羅漢果はほんのわずかしか入っていません。)

「はちみつ」を少し使用するのも手です。「はちみつ」はビタミンミネラル、酵素、アミノ酸、ポリフェノールが含まれます。ただし、品質の良い高温加熱していない生はちみつにしてくださいね。

★安価なオリゴ糖やはちみつの成分表示をよく見ると「水あめ」や「ブドウ糖果糖液糖」など余計なものが入っていることも少なくないので、必ず成分表示を確認してください。

果糖には老化の原因となるAGE(終末糖化産物)を生成させてしまうという意味でも問題があります。実はブドウ糖より果糖の方が、AGE(終末糖化産物)を多く生成させてしまうことがわかっています。「果糖液糖」入りのジュースの場合は、生活習慣病の原因、脂肪肝、中性脂肪を増やすことにも繋がります。

旬の果物には、食物繊維、ビタミンやミネラル、抗酸化作用のあるポリフェノールなどのフィトケミカルが豊富ですが、果物と「果糖液糖」は全く別物です。

精製された砂糖ではなく、食物繊維の豊富なかぼちゃやニンジンなどのお野菜・イモ類からも糖質は摂れますので、こういった食材を利用して、バランスの良い食事を心がけたいですね。

米粉パンをネットで注文してみました。

栄養療法の講座で自然食品F&Fの米粉パンが紹介されました。ちょっとお高いけど、小麦を一切使わず、ベーキングパウダーや添加物を使用していないパン。患者さんに紹介できそうな味か、挑戦してみることに・・・

冷凍便で届いた食パン、クルミイチジクパン、アンパン、鳴門金時パン。レンジで少し温めてからオーブントースターで焼きます。どれもカリッと香ばしく持っちりしたやや硬めのパン。ふわっとした食感じゃないとと思われる方でもライ麦パン風の香ばしさできっと満足されるのでは?小麦のパン顔負けの美味しさでした~

グラニュー糖が結構入っているのは玉に瑕だけれど、パンが好きすぎてグルテンフリーが実行出来ない人にはお勧めです!

安心堂米粉パン工房(グルテンフリー米粉パン)|安心堂 食のSELECTネットショップ (anshindo-d.com)

マイコプラズマ感染症は病気のデパート。

マイコプラズマ感染症は、小児の肺炎で有名ですが、肺炎のような急性症状のみでなく長期化・慢性化するという特徴があります。

近年、早期認知症、喘息・アレルギー、アトピー性皮膚炎、慢性疲労症候群、関節リウマチ、膠原病、など多くの慢性炎症性疾患や難病と区別が難しい多彩な症状を呈し、それら疾患の根本原因となる場合が少なくない事が分かってきているのです。マイコプラズマ感染症が病気のデパートと呼ばれる所以です。

残念ながら、今の保険で測定できるマイコプラズマ抗体検査では陽性率が非常に低く、診断が困難なため認知度が低く、未だ治療に結び付いていません。

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