睡眠薬からの卒業、私はこうしました。

勤務医時代、朝は6時に起きて朝食とお弁当(娘ふたりと夫)を作り、夜8時ごろに帰宅して夕食を作り、何だかんだで就寝は夜中の12時、1時。もちろんそれまでに激しい睡魔に襲われても頑張って耐え、またはちょっとだけ仮眠しながら、明日の準備・・・そんな生活を長年続けて、とうとうたびたび眠剤のお世話になるようになってしまった私の、脱眠剤大作戦のお話です!

若い頃は布団に入るや否や眠りについていましたが、40歳を超えたころからいざ就寝!となると目が冴えて、眠れない時間を数える日が多くなってしまいました。「せっかく寝られる時間なのにもったいない!」「明日の仕事に差し障る!」などと焦るとますます寝られません。いつしか枕元に眠剤を置いて、寝られなくなったらこっそり飲むようになりました。枕元に眠剤があると少し安心して、寝られない事でイライラすることが減って、これはいい方法だ、なんて思っていましたね。もっと毎日眠剤を飲んでいる人もいるんだもの。このくらいなら大丈夫、とも思っていました。

でも、栄養療法を学ぶうち、眠剤で脳の機能をブロックして寝るのと、穏やかな良い睡眠をとるのは全然違う、と知り、また、眠剤の連用で脳機能が低下する可能性もあるとも知りました。テレビの特集でも脳科学的に睡眠の重要性が取り上げられる機会も多くなってきたところを見ると、世の中には寝られないひと、結構いるんだ。私ったら医者のくせに、なんとか克服して、患者さんにシェアしなくちゃ、って思いました。その方法とは・・・

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栄養療法で脳梗塞の克服を目指す父

左右の頸動脈が閉塞してこの冬2度も倒れたわが父。すでに側副血管(閉塞血管を補う新しい血管)がある程度新生していたため一命はとりとめ、明らかな麻痺も残らなかったものの、86歳と高齢で閉塞がひどいためステントもバイパスも適応なしとなり、結局経過観察のみ。いつまた発作が起こるかわからないと主治医にはきつく言われていました。

私は何の手出しもできず、せめて病院食の朝食のパンと牛乳、これだけはやめてもらうようお願いしました。(ホントはこれ、全ての患者さんに適応してほしいところですが・・・・)で、少し暖かくなった今年2月中旬に退院しました。

頑固でワンマンでヒトの言葉になかなか耳を傾けない人ですが、さすがに今度ばかりは母の多大な協力のもと私のアドバイスを忠実に守り、グルテンフリー、カゼインフリー、砂糖制限をし、ヘルシーパス社のマルチミネラルビタミンのサプリを摂取しています。閉塞血管には石灰化がみられたため、Caと拮抗するマグネシウムもトレースミネラル(にがり)、エプソムソルト(入浴剤)で摂っています。毎日母と二人で作る新鮮な野菜をたっぷり食べ、近海で摂れる魚や時にはお肉も食べ、甘いおやつやつくだ煮などは極力食べずに過ごしています。

暖かくなってきたのも日にち薬にも助けられ、徐々に体力を回復し、筋力もつき、認知機能も回復してきています。少し高めだった血圧も血糖も薬なしで良好。最近は家業の畑仕事に精を出し過ぎて母を心配させるほどです。また、退院後気が立って怒りっぽくなっていた父が穏やかになったと言います。さらに毎日日経新聞を熟読してパソコンで株の売買をささやかな楽しみにしているようです。(これはやめてほしい事ではありますが、体でお金を稼ぐことができなくなった父の、せめてもの社会参加なのだろうと思います。)

医学が踏み込んでくれない予防の領域。これこそが栄養療法の神髄です。ここまで来てしまった状態で、今後どれだけの予防効果、延命効果があるかわかりません。ですが、なにより恐怖におののきながら生きて行くより、自ら取り組むことで予防できる可能性があることが両親の心の支え、励みになっているのです。

何もしなければすぐに死んでしまうような状態から生還させる治療を得意とする西洋医学は、分かりやすく劇的です。でも、栄養療法のような治療は、たとえ劇的な効果が見えないところで起こっていたとしても、効果があったのか、自然の成り行きか、比較するものが見えないため認められにくく、理解してもらうことが困難です。でも、私は、今やっていることが水面下で父に劇的に「効いている」のだと信じています。最後の日まで元気で笑い、働けていることを祈りつつ・・・

筋膜リリース

さらに、最近はやりのfascia、いわゆる筋膜リリース! 肩こりにはびっくりするくらい効果的です!!

筋膜リリースという言葉、最近よく聞きます。解剖学的に筋膜というと、筋肉を包む強い膜。その膜が癒着するとか硬くなるって、今いちイメージがつかめないまま勉強していませんでした。

先日、某テレビ番組で筋膜リリースが肩こりや首コリに効果的!というテーマを取り上げていました。ここでいう筋膜(fascia:ファシア)とは皮膚と筋肉の間の細い線維でできた綿状の結合組織。それならリリースとか癒着っていうイメージがわきます。医療機関でしか受けることができない、エコー下で生理食塩液を注入する「ハイドロリリース」が紹介された後、自分でできる方法が紹介されました。頚部や肩周囲の突っ張る部分の皮膚を脂肪事つまんでゆらゆらと1,2秒動かす、というもの。

一カ所の痛みが消えると、その続きの別の箇所が痛くなるので、痛み部位を追いかけるように次々と「ゆらゆら」。それ自体は痛くも気持ちよくもないのに、やってみるとあら不思議、すぐにみが消え、回らなかった首が回る!!

テレビで紹介されるくらいなのでご存知の方も多いかもしれませんが、ご存じなかった方、ぜひお試しあれ。

五十肩とラジオ体操とヨガ

56歳になる私は、自分だけは五十肩にならない、と何の根拠もなく思ってきました。しかし、4か月前その日はとうとうやってきました。五十肩の苦しみとラジオ体操、ヨガでの克服のお話です。

昨年7月ごろのこと。お恥ずかしながら家から駅に向かう下り坂を走っていて転倒し、右手のひらと膝をすりむきました。奇跡的にズボンは破れず、キズも順調に治りました。なにせ皮膚を治す専門家ですから(笑)

ところが、その2、3か月後から何となく右肩の違和感を感じ始めました。当初は気のせい?と思っていましたが徐々に違和感が痛みに変わり、腕を上げる、右手でテーブルを拭く、駐車場で駐車券を機械から抜きさしするなど何でもない日常動作に支障をきたすようになってきました。

整形外科でレントゲンを撮ってもらうと、骨には異常なく、痛みで動かさなくなったために周囲の筋肉が固まていると言われ、ちょっとずつ動かそうと努力するのですが、痛くて日課だったラジオ体操もやる気をなくしました。夜も痛みで目を覚まし、朝は激痛でしばらく動けないほど。

少し前に妹が五十肩になったと聞いた時には、「あ、そうなんか~みんななるもんね」と思っただけで済ませたことを今更ながらに申し訳なく思いました。妹に現状を訴えると「あ~同じ同じ!それ絶対五十肩よ!」みんな黙って耐えていたのね?

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グルテンフリーと生米パン

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グルテンフリーという言葉がやっと日本でも市民権を得てきたように思います。グルテンは小麦に含まれる蛋白質で、消化が悪いため腸内環境を悪化させ、アレルギーの原因になることもあります。

世界的なテニスプレイヤー、ジョコビッチ選手の本は、グルテンフリーという言葉を有名にしました。

わが娘もグルテンフリーを含む食事療法で蕁麻疹を克服しました。私の患者さんで、グルテンフリーを徹底して頂いて難治な症状が改善した方はたくさんいらっしゃいます。皮膚の病気では蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、喘息、脱毛、血管炎など。蜂窩織炎やヘルペスなどの繰り返す感染症がほとんど起こらなくなった人、過敏性腸症候群の症状が劇的に改善した人もいます。

そうは分かっていてもなかなかやめられないパン。グルテンフリーを勧めた患者さんの多くは何とかしてパンを食べようと、米粉パンを探し回ります。

米粉パンは最近そこここで見かけますが注意が必要なのは、米粉では小麦のパンのようなふっくらパリッとが難しいらしく、グルテンを添加している物がありますので、必ずグルテンフリーの物を買ってくださいね。

ところで生米パンってご存知ですか?偶然見つけた本。生米パンの作り方です。

米粉は酸化しやすいし、常備はしていないので、生のおコメからパンを作るというこだわりのパン。と思いきや、作り方は意外と簡単。半信半疑で試しに作ってみました。

なんとなんと、グルテンは使っていないのに、ふっくらパリッと美味しい!!!しかも小麦のパンのようにこねることもせず、ミキサーで全材料をガーっと撹拌していきなり型に流し込み、そのまましばらく発酵させた後オーブンで焼くだけ。いたって簡単です。

小麦はやめたいけどパンが食べたい人、特にお料理好きの方、必見です。

材料(16.5×6.2×6cmの型)①米115g(浸水済150g)②油13g③メープルシロップ8g④塩2g⑤湯70~75g⑥酵母3g(ドライイーストならば2g)・・・私は家にあったパウンド型が大きかったので、いつも倍量で作っています。

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栄養療法で免疫向上を

新型コロナウイルスが世の中を席巻していますが、ちょっと視点の違うコロナの話です。

誰もかれもがマスクを着用し、頻回に手をアルコール消毒し、外出や外食を控え、この新しいウイルスを徹底回避しようとしています。けれども、そんな人間たちをあざ笑うかのようにウイルスは未だ勢力を拡大している、とマスコミや専門家は警鐘を鳴らし続けています。

コロナ撲滅のスローガンのもと営業停止で収入を絶たれた人、職を失って路頭に迷い自殺するヒトもいます。コロナの対応と休業補償の為と言って、いったいどれだけの税金が、国債という子孫への借金で投入されているのでしょう?コロナ感染で死にさえしなければ、それでよいのか?と思ってしまいますが、それも致し方ないのでしょうか?

一方、免疫はある程度の外敵にさらされてこそ鍛えられます。また、適度な紫外線を浴びて免疫に深く関与するビタミンDを活性化させることも重要です。子供が目先のウイルスを過度に避け続け、外遊びもせずに成長したら、どこで免疫が鍛えられるのでしょうか?「ヒトを見たらばい菌と思え」的な環境で育つ小児や若者の精神発達も心配です。

人間の体には体の細胞の数をはるかにしのぐ多くのの微生物が生息して、栄養素を作り出したり、外敵と闘ったり、心を落ち着かせる物質を作る手助けをしてくれています。腸管の中の微生物は腸内細菌叢と言って、近年急速に研究が進み注目されています。皮膚の表面にも多くの微生物が住んでいて、皮膚細菌叢と呼ばれていますが、これらも皮膚表面の外敵と闘ってくれているのですよ。アルコールで消毒したら、どうでしょう?常在する良い菌まで死滅してしまい、肌荒れを起こして通常入らない異物の侵入をかえって許してしまいませんかね?水道があるところならば、水洗いくらいにとどめて洗いすぎないほうが良いと私は思います。

83歳の私の父は、「高齢者が新型コロナウイルスに感染すると重症化する。外出を極力控えるように。」と声高に叫ばれ始めたことで不安から抑うつ状態になり、不眠が続き、運動量が減り、挙句の果てに脳梗塞を発症して先日入院しました。本当の話。

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アトピー肌に手作り石鹸、手作り化粧水がやさしい!

今日は石けん作り。石けんを手作りするようになって早7年がたちます。

きっかけは、ある方から頂いた、前田京子さん著「お風呂の愉しみ」という本。

石けんを手作りするといかに上質の石けんができ、いかに入浴生活を楽しむことができるか、という本でした。本の通りに苛性ソーダと良質のオイルを混ぜて鹸化し、アロマオイルで香りをつけて型に流し込む。じっくりじっくり固まるのを待つこと1か月。

苛性ソーダとオイルの割合がオイル優位。鹸化し切れない良質のオイル滴という天然保湿剤入り無添加手作り石けんは、固まるのに時間を要しますが、大量生産の市販の石けんにはない素晴らしい使用感があります。

いざお風呂で初めて身体を洗ったときの感動と言ったら!!!適度なオイルのベールをまとってお肌がすべすべ。幸せ~

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日本の医療制度と栄養療法

電磁波の害もトランス脂肪酸の害も、欧米では国レベルで何らかの規制がなされているところが多いですが、日本では規制どころかまだまだ一般に十分知らされてもいません。いったいこの国は国民の健康を、将来の世代を健全に育てる事を本気で考えているのでしょうか?

国民皆保険制度が日本ほど充実している国はありません。国民は貧富、年齢を問わず、安い費用で十分な医療を受けられるという意味では一見とても恵まれているように思われます。癌などの高額医療を受けている方からは、「医療費が安いなんて!?」という声が聞こえてきそうですが、高額医療制度で負担額の上限額が決められているわが国では、高額な患者さん負担の何倍もの費用を国が負担しているのです。

多くの人が、たくさんの公的な医療費を使って多くの(しばしば高額な)薬を飲んだり何度も手術を受けたりしています。「死なせない」ことにかけては世界一といっても過言ではありません。それでは、日本人はみな健康で長生きするのか?といえば、必ずしも健康とは言えない状態で医療を受け続けて長生きしているのが現状です。

電磁波やトランス脂肪酸など病気の元凶を野放しにしておいて、病気になったら高額な薬や治療に国のお金を湯水のごとく使って長生きさせるような医療・・・

他の国が到底買えないような高額な薬を売りつけて巨額の利益を得る世界の製薬業界の「カモ」になっている日本・・・

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トランス脂肪酸

デジタル毒が海外では規制されているのに日本では野放し、というお話をしました。

害があるとして海外では規制されているのにこの国では野放しとなっている「先輩」がいます。「トランス脂肪酸」です。

トランス脂肪酸とは不飽和脂肪酸(主に液体の植物性油脂)に水素添加して常温で固体になるよう加工された油、工業的油脂です。マーガリンやショートニングなどがこれにあたります。安価なスナック菓子やパンのほとんど、フライドポテト、お惣菜の揚げ物や加工食品、サラダ油などありとあらゆるものに使用されています。バターなどに比べ安価で酸化しにくい(日持ちする)ためです。

しかも注意が必要なのは、原材料名に「トランス脂肪酸」とは書かれていない事です。マーガリンやショートニングと書かれていればまだわかりますが、たいていは「植物油脂」など分かりにくい表記となっています。

脂質は多くの臓器や細胞膜の原材料となる重要な栄養素です。細胞膜を構成する脂肪酸は、口から摂取したそのままの脂肪酸が使われるのですが、不自然なトランス脂肪酸が取り込まれた細胞は、その細胞の機能が悪くなり、免疫細胞からは異物と認識されます。

そのため、炎症を引き起こしやすく、脳血管障害、自己免疫やアレルギー、心疾患、うつ、認知症、ガンなどとの関連などが報告されています。脳の細胞には脂質が豊富です。子供の脳の発達に影響する可能性も指摘されています。

トランス脂肪酸の危険性が判明するやいなや、・・・

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超簡単!発酵調味料に魅せられて・・

発酵食品は腸内細菌を整えるのに望ましい食品の代表です。厳密にいえば、腸の状態によっては避けることが望ましい場合もあるので注意が必要ではありますが・・・

わたくし、実は塩糀を愛用して久しいのですが、とあるきっかけで、塩麹はもちろん、醤油麹、お味噌を手作りするようになりました。ほんの少しお料理にプラスするだけで旨味がアップして味が決まるんです。分子栄養学的に望ましくない化学調味料がいらなくなりますよ。

手作り味噌は絶品!市販品って意識しないで買うと、ほとんどに食品添加物が入っているんです。でも豆を煮てつぶすなど少々面倒な工程もあり、「私には絶対できない!」と思った方、お味噌に比べ塩糀、醤油糀はいたって簡単です。もちろん手作りしないで市販品を買っても良いのですが、市販の物より数段美味しいんですよ♪

常温でも1週間ほどで出来ますが、私はもっぱらヨーグルトメーカーで作ります。なにせ半日でできて失敗がない。せっかくなので是非、できるだけ添加物のない自然な材料を使ってくださいね。味も全然違います!我が家のレシピをご紹介します♥

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