低下している食材の栄養価 その1

新型栄養失調の原因

1.そもそも食べるメニューが偏っている。

2.パック野菜(カット野菜、水煮野菜)があふれている。

3.精製度の高い調味料

4.食品添加物

5.食材そのものの栄養価の低下

6.ストレス、消化機能、腸内環境・・・・・・・・

加工食品の栄養価が下がっていることは、すでに述べました。それならば、生鮮食品を買ってきて、自分で調理をすれば解決するはずですね。もちろんそれが理想ですし、有効です。

ですが、その生鮮食品自体の栄養に問題があるとしたら・・・?

まずは農産物。私は、いつも少し高くても国産の食材を買う事にしています。第一の理由は、日本の農家を応援したいから。

何を隠そう私の実家はみかん農家です。大地が育む作物のおいしさと有難さを肌で感じ、それを作っている農家の姿を見て育ちましたから、医者の中では最も農業に対して思い入れが深い人間の一人だと勝手に自負しています。

輸入作物のポストハーベストの問題もあります。ポストハーベストとは、収穫後に防腐の為に使用する農薬の事です。輸入レモンがいつまでたってもカビないのを気持ち悪く思った事がある人、いらっしゃいませんか?

しかし、実は日本の農薬の規制の甘さは世界トップクラスって、ご存知でしたか?様々な政治的な理由で、農作物はかつてないほど農薬にさらされています。

農薬そのものが作物に残っている(残留農薬)のも問題ですが、実はもっと深刻な問題は土。ただし、日本の農家さんたちの名誉のため言っておきますが、個々の農家さんそれぞれに良い土づくりに力を入れていて、土の質は世界のなかでも至って優良であるというデータがあります。決して輸入作物のほうが良いというつもりではさらさらありません。その前提でのお話です。

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図1 腸絨毛の顕微鏡写真

余談ですが、図1は腸の粘膜の顕微鏡像です。腸絨毛という細長い凸凹があり、見えにくいですがその表面にさらに細い微絨毛があて、表面積を大きくした粘膜の表面が腸管内に突き出して腸にやってきた栄養素を吸収しています。

植物の根っこ

図2は実物大でちょっとイメージしにくいかもしれませんが、植物の根が太い根からひげ根を出して表面積を広げ、土から栄養素を吸い上げるのとそっくりでしょ?

農薬は生物が生きていく営みのどこかの過程を阻害するものですから、野菜につく虫を殺すために散布した農薬はやがて土に流れ、土の中の微生物を死滅させます。

ヒトの腸内細菌がお腹の中で免疫を育て、ビタミンや酪酸などの栄養素を作り、宿主の体の機能を支えているのと同様に、土の中の無数の微生物たちは、宿主である「大地」を健全に保つ役割を果たしています。

ですから農薬で、土中の微生物が死滅したら、土の免疫力は弱って、さらに虫にやられやすくなります。そうすると、もっと強い農薬が必要になる・・・ちょうど抗生物質を使いすぎて腸内細菌がダメージを受け、免疫が弱ってしまう人間のように・・・

そうすると、採れた野菜は、一見きれいで栄養豊富そうに見えても、実はそこに含まれる栄養素、特にミネラル・ビタミンの量が、何十年か前に比べ格段に少なくなっているのだそうです。

ましてやそのような作物をさらに加工して栄養価を捨て、それを日常的に食べ続けたらどうなるか・・・想像すれば、分かりますよね。

次は、畜産物と海産物の話です。

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