ファスティング(断食)

去る3月半ば、私の所属する分子栄養学の研究会で、グループファスティングに参加した。2年前と昨年は3日ファスティング、今回は主人と5日ファスティングに挑戦。今回は娘夫婦も3日ファスティングに参加した。

最近、特にダイエットのためファスティングはちょっとしたブームになっているらしい。

私はやせっぽっちなので体重を減らしたくはないが、そんな人にとっては腸機能を上げて摂取した栄養をしっかり吸収」利用できるようにしてくれるのがファスティング。要するに適正体重になる・・・はず。

ファスティング前2日間は準備食で基本は例の「まごわやさしい」。注意点は小麦、乳製品、トランス脂肪酸、添加物、砂糖、アルコール、カフェインなどをOFF、ここまでは普段から習慣にしている食事なので特に問題なし。ただ、動物性たんぱく質は消化の負担が大きいのでOFFする。

ファスティング中は酵素ドリンクを頻回に飲みながらたっぷり水分を摂って、ミネラル補給のため岩塩をなめたり、岩塩で漬けた梅干しを使った梅湯と飲む。時に水便が出て、腸を洗浄している気分。

「断食」と言えば空腹に耐えて我慢するイメージで、よくご存じない方にとっては「考えられない無謀な事」のようだが、体力が低下したりエネルギ―不足気味の人がするファスティングは「守りのファスティング」。ビタミンやミネラル、プロバイオティクスなどが豊富に含まれた「酵素ドリンク」をちびちび飲んで、上がりすぎず下がりすぎない血糖を維持しながら、時にはデトックスを促すアミノ酸やバスソルトを利用しながら食事を抜くので、全くと言っていいほど空腹を感じず、「食べない」と決めてしまえば、食べたい欲求もさほどわかないので、つらくはない。

それどころか、胃腸を休めるとこんなにも体が楽なのかという快適さ、そして、食事をするための買い物、調理、食事、後片付けにこんなにも莫大な時間を費やしていたのか、と思うほど、たっぷり時間があって、ゆったり過ごすことができ、病みつきになりつつある。

5日間のファスティングの後、大根と昆布を煮込んだスープを飲むともう、食べ物の有難さや食材のおいしさが全身に広がり、至福の気分が味わえる。その後仕上げの水便が大量に出てお腹が浄化される。そして、少しずつ胃腸の負担の少ない食事をよく噛んでいただく回復食のような食事に戻し、3日後には普通の食事に戻す。

腸粘膜のエネルギー源は食物中のグルタミンなので、断食中は粘膜がとても傷つきやすくなっている。そのため、回復食はとても重要なのだ。

ところで、ファスティングの効用は胃腸機能の回復と体重コントロールだけにとどまらない。

余分な糖が入ってこないため、エネルギー源が糖質代謝から脂質代謝(ケトン代謝)に切り替わる。ミトコンドリアを持たない赤血球以外の全細胞はブドウ糖がなくてもケトン体(脂質が代謝されてエネルギー源となった形)で生きていける。ケトン代謝になると、血糖の乱高下が起こらなくなるため、感情の起伏が安定し、頭もすっきりすると言われている。

消化管を働かせるために私たちは毎日多大なエネルギーを使っている。そのエネルギーが節約され、食物の侵入が減ったら、何が起こるか。

蓄積していた有害重金属はじめ毒物の解毒という肝臓の大仕事がサクサク進む。そして、作り損ねたタンパク質の不良在庫がリサイクルされる・・・これらの事を、俗にデトックスという。これもファスティングの大きな効用である。

私は1回目のファスティングで食後高血糖が改善した。夫はおならが臭くなくなり、食事が美味しく感じられるようになった。娘は食後高血糖と夜間低血糖、そして便秘が改善、以前より食欲が出てよく食べるようになったが、むくみはとれて体重は少し減ったままキープ。ダイエット中の「娘の夫」は体重が5kg減って、その後過食が自然と減ったため、ゆっくりと適正体重に向かっているらしい。

イライラしがちな人、情緒不安定な人、実は原因の多くは血糖の乱高下にある。(参照:2022/1/26の「低血糖症」って「糖尿病」の逆ではないんです。)ファスティングで酵素ドリンクの糖を適度に少量ずつ調節しながら摂ることで、血糖が安定する。そうすると、顕著な人は精神状態が「阿修羅モード」から「菩薩モード」に切り替わる。これもファスティングの思わぬ効用の一つである。

とはいえ、特に体力のない人、胃腸の悪い人(自覚がない場合もあるので要注意!)、メンタルが不安定な人、ファスティング中の最大の危険は「低血糖」。ファスティング中の様々な体調不良のほとんどは低血糖です。低血糖が起こらないために、初めての方はちゃんとした指導者のもと、安全に行ってくださいね。

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