電磁波フリーハウス

電磁波フリー環境では、脳のシグナル伝達のロスがなくなるため
筋力が強くなる。(唸り声は室内犬)

5月24日、愛媛県松山市でファスティングと電磁波の講師としてご活躍の「みゆきさん」のお宅にお邪魔しました。みゆきさんのお宅は電磁波を極限まで減らすべく改装したり対策器具をそこここに設置したりしたおうち。ついでに、PM2.5などの有害物質も高性能に除去できる空気清浄機も設置されています。

分子栄養学を学ぶ友人と3人伊丹から飛行機で松山入りし、松山在住の長女と合流。電磁波フリーハウスの見学が主目的だったが、みゆきさん、ついでに電磁波の講義をして熱く語って下さり、予想以上にとても有意義な訪問でした。

右は筋力実験。みゆきさんが思いっきり腕を引っ張り、被検者が足を踏ん張ることができるか。電磁波のある環境ではすぐに体勢を崩してしまうのに、電磁波対策の器具を十分使用すると、脳の電気信号がズムースに筋肉にいきわたるため、同じ負荷をかけても踏ん張ることができるんです。いや実はみゆきさんの筋力もアップしているので、負荷はむしろ電磁波対策時の方が増強しているのに、です。

岩塩を舐めて味を感じる体験もした。電磁波対策なしではしょっぱい塩。対策下では感覚神経の機能が良くなり、微妙な旨味を感じることができるため、塩味にうま味が加わり、しょっぱさが軽減して明らかに美味しくなってびっくりです。

電磁波は特に、頭蓋骨が薄く発達の著しい子供の脳に大きく影響します。発達障害に対しては、栄養療法よりも効果が早いとのこと。しかも対策にお金はかかるが努力や我慢があまりいらない! 少なくとも、今後の治療方針の中にもっと組み込む必要性を強く感じました。(スマホを長時間または寝る前に見るのは避ける事、夜間のWi-Fiを極力OFFにする事、夜間スマホを機内モードにする事くらいの指導しかしていなかったなあ。反省。)

ところで、このおうちに滞在している間、私は、頭重感と肩こりから解放され、黄砂の時期にいつも咳が出る長女の咳がぴたりと止まっていました。このおうちを訪れた方は、肩こりや頭痛、喘息、チックなどの症状がウソのように消え、外に出たとたんに症状が出る、という事は、珍しくないのだそうです。

翌日は松山市のお隣、東温市のパワースポット、滑川渓谷へ。

亜鉛④ 現代人はなぜ亜鉛が欠乏しやすいのか?

まず食材の栄養価の問題。現代は、農薬や化学肥料、環境汚染の影響で作物自体の栄養価が下がっています。「新型栄養失調」の回で述べましたが、加工食品やカット野菜などは加工の段階で栄養素が失われています。

次に、吸収の問題。日本人には胃酸欠乏の人が多いと言われています。ましてや、近年はちょっと胃の具合が悪いと、胃酸抑制薬が安易に処方され、延々と飲み続けている例がよく見られます。摂取したミネラルの吸収には、胃酸でイオン化されるという過程が不可欠ですから、胃酸が少ないと摂取したのに吸収されないという事態も起こり得るんです。また、食品添加物のリン酸塩は、それ自体に毒性はありませんが、ミネラルをくっつけて便に排泄してしまいます。もちろん腸内環境が悪いと吸収しにくくなります。

そして、亜鉛消費量の増大問題。せっかく吸収し取り込んだ亜鉛も、食品添加物、環境汚染物質や薬剤などの「解毒」に使われ、ストレス、炎症なども亜鉛を浪費する原因になります。

と、このように現代社会に生きる私たちはよほど気をつけて亜鉛を摂取していても、亜鉛欠乏症になりやすいようにできているのです。

では、どうしたら良いのでしょう?

上記の逆、つまり、

・できる限り無農薬の作物を摂取し、極力加工食品を使用せずに食事は手作りしましょう。

・無駄な胃酸抑制薬を漫然と内服するのは厳禁。食事の際、胃酸の代わりにpHを下げてくれるお酢やかんきつ類(レモン、ゆずなど)を一緒に摂りましょう。

・歯周炎や上咽頭炎、副鼻腔炎等、慢性炎症があれば治療しておきましう。

・腸内環境を整えましょう。

・心穏やかにストレスのない生活を送りましょう。

いかかですか?なかなか難しいですよね。でも、知っていると知らないでは、全く違うと思います。今日から、心がけてみませんか?

亜鉛③ 多く必要な時と部位は?

亜鉛は、数えきれないほど多くの働きがありますが、亜鉛が多く必要な身体の状態や部位を知る上で、まずは「細胞分裂」が一つの重要なキーワードになります。遺伝子DNAの合成、複製に不可欠な栄養素だからです。

□細胞分裂が盛んな時(成長期、妊娠、授乳、けがの治療時、病気の回復時、炎症時)

□細胞分裂が盛んな場所(毛髪、味蕾、皮膚、消化管、生殖器)

成長期、妊娠時、手術やケガや病気の時:新たな細胞を作り出すため、または組織の修復のため細胞分裂が盛ん ➡亜鉛の要求度が上がる つまり相対的に亜鉛が欠乏しやすいはずです。

一方、亜鉛は、神経伝達物質という、脳の働きを決める重要な物質を作る際に必要なため、脳にも多いのですが、欠乏すると攻撃性増加、認知症、うつ病の原因になることもあります。

つまりつまり、亜鉛が多く必要な時期、成長期に反抗的になったり、妊婦さんがうつになったりイライラしやすくなるのは、亜鉛欠乏の影響があるんですね。

その他、膵臓ではインスリンを安定化する重要な役割を担い、肝臓では解毒の仕事、さらには免疫細胞を活性化する役割もあります。亜鉛欠乏は、糖尿病、アレルギーなどのリスクも高めるという事です。

診断は一般的には血液検査です。しかし、体内の全亜鉛のたった2%しか血清中に存在しないうえ、日内変動があり、夕方の血清亜鉛値は朝の約8割。それを知った上で検査データを解釈する必要があります。通常血清亜鉛値が基準範囲内(80~120μg/dl)であっても、組織内亜鉛は欠乏していたり、酸化ストレスで起こる溶血(赤血球が壊れること)によって、亜鉛濃度の濃い赤血球から血清中に亜鉛が溶出していたりすることがあります。一方組織内亜鉛が多いのに血清亜鉛値が少なく出ることは比較的まれです。

こんなに大事な亜鉛がなぜ欠乏しやすいのか。次の課題です。

亜鉛② 金属としての亜鉛の位置

生体に有用な金属はミネラルといい、有害な金属は有害(重)金属といいます。下図は、みなさん化学で習ったことのある金属の周期表です。ここからは、科学が嫌いな方は太字だけ読んでくださいね。亜鉛=Zn(30)、カドミウム=Cd(48)、水銀=Hg(80)、銅=Cu(29)、鉄=Fe(26)はおさえてください。

全ての金属元素は、陽子を中心として周囲に電子が回っているのですが、電子は決まった軌道を回っていて金属ごとに電子の数、軌道の数が決まっています。記号の上の小さな数字が電子の数、最上段の元素は軌道が一つで、下の段に行くほど一つずつ軌道が増えます。化学的には最外殻(一番外側の軌道)の電子の数が他の元素とのくっつきやすさを決めます。

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亜鉛は周期表30番目の金属で、右図のごとく亜鉛の下段にはカドミウム(48)、水銀(80)があります。縦の列は同族元素といって、いちばん外側の軌道の電子の数が同じなので、化学的に同じ元素にくっつきやすい性質があります。つまり、亜鉛が組み込まれるべき酵素などの物質の亜鉛の席にカドミウムや水銀が座りやすいってこと。酵素は身体のすべての反応を決める重要なタンパク質です。カドミウムはイタイイタイ病、水銀は水俣病という有名な公害病の原因ですが、CdやHgが有害なのは、亜鉛が座るべき酵素のあちこちの場所に座って、出来損ないの酵素を作ってしまい、正しい働きができなくなることで、必要な体の機能を動かせなくなるからなんです。

さらに亜鉛は左隣の銅(29)と兄弟元素で、吸収経路を共有しているので、亜鉛欠乏だと銅過剰に、亜鉛過剰だと銅欠乏になりやすいという関係にあります。銅は赤血球を作ったり、脳内ホルモンをつくる際に必要ですが、亜鉛は高容量のサプリでも飲まない限り過剰にはなりにくく、銅はむしろ過剰になりやすい傾向があります。亜鉛欠乏かつ銅過剰になることにより炎症体質になったり興奮系の脳内ホルモンのバランスを崩してうつ病になりやすくなるんです。

そして4個左の鉄(26)とも腸における吸収経路を共有しているため、鉄と亜鉛が腸内で共存するとお互いの吸収を妨げる関係です。

亜鉛が多く必要な時や場所は?

□細胞分裂が盛んな時(成長期、妊娠、授乳)

□細胞分裂が盛んな場所(毛髪、味蕾、皮膚、消化管、

            けがの治療時、病気の回復時)

成長期=身長が伸びる=骨・筋肉が伸びる=細胞分裂が盛ん ➡栄養の要求度が上がる つまり亜鉛が欠乏しやすい

その他、亜鉛欠乏は・・・

不妊、薄毛、味覚障害、攻撃性増加、糖尿病、解毒能低下、認知症、うつ病、アレルギー、皮膚炎、床ずれなどのリスクも高めます。

つまりつまり、亜鉛が多く必要な時期、成長期に反抗的になったり、妊婦さんがうつになったりイライラしやすくなるのは、亜鉛欠乏、ひいては銅亜鉛バランスの影響もあるんですね。

診断は主に血液検査ですが、体内のたった2%が血清に存在する亜鉛。しかも日内変動があり、夕方の血清亜鉛値は朝の約8割。それを知った上で検査データを解釈する必要があります。通常血清亜鉛値が基準範囲内(80~120μg/dl)であっても、組織内亜鉛は欠乏していたり、酸化ストレスにより溶血(赤血球が壊れること)によって血清より亜鉛濃度の濃い赤血球から亜鉛が溶出していたりすることがありますが、組織内亜鉛が多いのに血清亜鉛値が少なく出ることはあまりないと考えられています。

化学の退屈な話で分かりにくかったかと思いますが、こんなに大事な亜鉛がなぜ欠乏しやすいのか、次回からは、そこを掘り起こします。

受け身の言葉を主体的・能動的な言葉に変えて使う習慣をつけることで、エネルギー値が上がります

私のクリニックの見つけにくいホームページを見つけてクリニックに来てくださる患者さんは、ほとんどの方が頑張り屋さんです。まじめで家族思いで仕事熱心で、勉強家で努力家で、栄養の知識も持ってらっしゃり、食事にも気を配って生活して、何とか元気になりたいと思って、でもなかなか元気が出ない方が多いんです。

そんな患者さんに「先生のブログを読んで、とても共感しました。」と言っていただくことが一度ならずあって、こんな更新の遅い、拙いブログを読んでくださる人が今もいるんだと、改めて思いました。

食事も栄養もとても大切ですが、栄養を体に取り入れるには、口から始まり、肛門に至る消化管という長~い管が正常に働いてくれることが大前提です。ストレスや緊張で消化管の機能が下がるので、栄養を正しく摂ることに頑張りすぎることも、皮肉なことに栄養の吸収を妨げてしまいます。

さらに、栄養を摂る最大の目的はエネルギーを作ること。全身のたった2%の重量の脳が安静時でも約20%のエネルギーを消費してるってご存知でしたか?つまり、せっかく栄養を摂っても、頭であれこれ考えすぎて悩みすぎると、ただでさえエネルギー食いの脳に多くのエネルギーつまり栄養が奪われてしまいます。

エネルギーを作る事と消費する事の収支の結果=その方の元気度を「エネルギー値」と言いますが、このエネルギー値、心の持ちよう、思考パターンに大きく左右されます。

何を隠そうこの私、栄養療法家にあるまじき、自分の体調不良(明らかに寝不足・過労が原因)を白状せねばなりません。

明らかなオーバーワークとポリシーと違う仕事に追われた勤務医から一転、栄養療法クリニックを開設して、完全予約制で自分のポリシーを曲げずに診療するようになって、ずいぶんと時間にも心にも余裕ができたと思っていたのですが・・・

日々より良い診療のためにあれこれ資料を準備したり、業者さんと交渉したり、もちろん勉強もしたり、やりがいのある楽しい作業と思って、睡眠時間をけずり頑張っていました。

一方、慣れない事務作業、眼科スタッフに栄養療法の患者さんの会計処理をお願いして慣れない仕事の負担を増やすことへの罪悪感、保険診療の何倍もの労力をかけているとはいえ、保険診療の何倍もの自費料金をいただくことの罪悪感。

とどめは娘の里帰り出産で、「まごわやさしい」、ならぬ、「まごはかわいい」で頑張りすぎた・・・泣 などなどでとうとう年末にひどい風邪をひいてしまいました。

そして、そんなこんなで投稿が滞っている間に、ブログの優先順位を自ら下げてしまっていました。そして、おさぼり期間が長くなると、だんだんハードルが上がって、ますます書けなくなって・・・

ところが、先日、セミナーの準備のため、心理関係の本や動画を見直していて、受け身の言葉を主体的な言葉におきかえるワークのスライドを久々に見ました。「300万円貯まったらお店を開きます。」を「300万円貯めてお店を開きます」におきかえる、「時間がない」という言葉を「時間を作ってない」におきかえる、とか。しかも自分が作って、セミナーで聞いて下さっている方々に偉そうに講義したスライド(笑)

ブログを書く時間、「ない」んじゃなくて「作ってなかったんだ」「ハードルが上がった」んじゃなくて自分で「ハードルを上げていた」と今さら気づいて反省。まあ、私の人生、こんなことの繰り返しなんですが、前向きに考えて再度ブログを更新することに・・・読んでくださる奇特な方に、元気になっていただけるような情報発信をやっぱりやろうと思います。

こんな私が言っても説得力ゼロですが、再度言います。受け身の言葉を主体的、能動的な言葉に変えて使う習慣をつけることで、エネルギー値が上がるんですよ~

おさぼりする前の最後のブログは「亜鉛」の話、しかも①。続きは下書きがすでにほぼできていたので、明日から話を一旦「栄養」に戻して、「亜鉛」を完結したいと思います。

亜鉛① 亜鉛のはたらき

ブログの更新が滞っています・・・

去る8月18日、月1回恒例のクリニックセミナーを開催しました。テーマは「亜鉛」

セミナーが終わってすぐにこのブログを書き始めたはずだったのに、「亜鉛」が重要すぎてなかなかまとまらず、気が付いたらすでに10月!

残念ながら、西洋医学ではあまり「栄養」が重視されませんが、こと「亜鉛」に限っては近年基礎研究が進み、様々な働きがあることが実臨床のレベルにまで知らされるようになり、亜鉛欠乏症という概念が浸透し、亜鉛補充薬を積極的に使用する動きが出てきています。

まずはその亜鉛の多彩なはたらき。

亜鉛の働きはわかっていることだけでも数えきれないほどたくさんありますが、主なはたらきとして知られているのは

①触媒機能:300種類以上の酵素の必須成分

触媒というのは、例えばAという物質をBに変える化学反応を促進する物質の事です。生体内では「酵素」と言います。酵素という名前の方がなじみがあるかもしれませんね。酵素は、放っておくとAからBに変化するのに何万年もかかる反応、あるいはむしろBがAになってしまうかもしれない反応を、体の機能に必要とあれば瞬時に起こしてくれるんです。つまり、月並みですが生きて行くために必須のアイテムなので、亜鉛が300種類の酵素にかかわっているというだけでも十分に重要な栄養素であることは間違いないですね。

でも、皮肉なことにあまりに多くの働きがあるために、欠乏していても症状が多彩すぎて特徴がつかみにくく、欠乏症状に気づきにくいのが特徴です。

②構造機能:タンパク質を形作り、機能させるための成分

①や④のような機能を果たしている物質の主成分はほぼすべてタンパク質なのですが、ここで亜鉛が必要なのは、そのタンパク質を形作る構造の構成要素としても亜鉛が必要不可欠、つまり、亜鉛がなければ酵素やそれ以外の機能を果たすタンパク質をつくることができないっていう事です。

③ATPからエネルギーを取り出す&炎症制御、調整

私たちの細胞や体を動かす電力のような物はATPですが、細胞内のATPからエネルギーを取り出すのに ALP(アルカリフォスファターゼ)という酵素が必要です。健康診断でよく測定される酵素ですが、 亜鉛が構成要素として必要ですので、亜鉛が極端に少ないとたちまち元気がなくなってしまいます。また、細胞の外にATPが多すぎると炎症を起こしやすくなってしまいますが、この暴走を抑えるのも亜鉛です。また、亜鉛イオンの濃度そのものが細胞の内外の情報を伝達して様々な機能を調節する信号のような役割を果たしています。

④抗酸化・解毒機能

活性酸素や毒素は炎症の原因になったり、体の機能を妨げたり、細胞を変性させて正常に働かなくさせますが、亜鉛を含有するメタロチオネインというタンパク質は水銀やカドミウムなどの有害重金属を解毒・排泄したり、強力な抗酸化物質として活性酸素を取り除いたりしてくれています。

⑤細胞分裂に不可欠

亜鉛は遺伝子DNAの複製の際に2重らせん構造(お父さん側とお母さん側の2本のDNAがらせん状に絡まった状態)を解列する際に働く酵素の補因子です。亜鉛が足りなければDNAの複製が上手く起こりません。これは日々細胞分裂を繰り返し入れ替わって元気な状態を保っている全身のすべての細胞にとって亜鉛が必要不可欠という事ですが、当然成長期には特に重要なミネラルとなります。

⑥骨の成長

成長期と言えば、細胞分裂も盛んですが、何といっても骨を増やすことが必要です。前述③で亜鉛は骨を作る際に必要なリンを渡すALPという酵素の補因子になっていると言いましたが、ALPは骨を成長させるのにも必要です。ですから、ALPは成長期には大人の何倍もの数値となっているのが普通で、当然亜鉛の需要が急激に増します。

⑦その他

赤血球の形成、インスリンの安定化、神経伝達物質の生成(脳の機能)、免疫細胞の活性化など多くのはたらきに関わっています。

たくさんありすぎて書ききれませんが、ここにあげただけでも亜鉛がいかに重要なミネラルであるか、という事をお分かりいただけたか、と思います。

鉄欠乏の血液データ 深読み編

検診やドック、医療機関でのや血液検査の結果をご覧になったことがあると思います。

あなたの検査データの横には必ず「基準値」と言われる値が示されていて、その「基準値」を下回っていれば”L”(Low)または”↓”、上回っていれば ”H”(High)または”↑”  という印がついていますね。基準値の中に入っていれば「合格」です。

でも、この「基準値」は「正常値」ではないってご存知ですか?どうやって決められた数値かと言いますと、検査会社の自称健康(病院で病気だとは診断されていない)職員さん十数人~数十人の検査値の分布の上下5%を除いた値。つまり、職員さんの平均値のような値なんです。

これはつまり、鉄を例に挙げると、貧血とは言われてないけど隠れ鉄欠乏の若い女性職員さんの多い会社だと、鉄欠乏の症状がすでにある人も多く含まれている可能性大、という事。

え?じゃあ、自分が鉄欠乏ではないか、どうやったらわかるの?

ご安心ください。検診などの検査データを見れば結構わかります。

鉄欠乏の見分け方

もっと詳しく知りたい方は以下を熟読してください。

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その症状、鉄欠乏ではないですか?

 あなたも~隠れ鉄欠乏~かも?

去る7月21日、今泉眼科で恒例の「ココロとからだセミナー」を開催しました。

今月のテーマは「鉄欠乏」。鉄欠乏と言えば「貧血」。貧血は、男性に比べ、生理のある女性に圧倒的に多い。貧血にはなったことがないからご自分には関係なと思われたあなた、日本人女性の鉄欠乏は深刻なんですよ。20代~40代の女性の実に60%以上が鉄欠乏というから、他人ごとではないかもしれません。

例えば、こんな症状・・・

□”立ちくらみ”や“めまい”がある

□頭痛になりやすい

□疲れやすい

階段を昇ると息切れがする

よくあざができる

□大きなカプセルが飲み込みにくい

病院で訴えたら「不定愁訴」なんて言われて、ややもすると、訴えの多い面倒な患者と思われるかもしれないような症状ですよね。

それで血液検査をして、貧血があれば「鉄欠乏」と診断されますが、「貧血」と診断されない場合、「異常がないから気のせいです。」とか「神経質にならずに」なんて言われちゃうことがあってしまう。そんな、貧血じゃない鉄欠乏があるっていうのが、今回のお話でした。

さらに、そんな症状がなくても

□生理のある女性  □成長期のお子様  □スポーツをよくする人

このような方は、「鉄」の需要が大きく、鉄欠乏のリスクが高いのです。

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次女が帰ってきたよ♪ & ワクワク家庭菜園♪

姑が住んでいた夫の実家(我が家から車で15分)、震災後に再建して姑のお気に入りだった家に住人がいなくなって4か月余り、片づけがようやく済んで結婚して離れていた次女夫婦が住むことになった。

二人はおばあちゃんのお気に入りの家と食器やアートフラワー、家具などをそのまま引き継いでくれる。四天王寺の狭~いマンションに住んでいた二人は、神田川よろしくぜいたく品は一切持たず、買わずつつましく暮らしていたので、おばあちゃんのおさがりを喜んで使ってくれることになったのだ。

故障したお風呂の修理で、納品が遅れるやら解体工事で家じゅう粉塵だらけになっていったん住めない状態になるやら、ハプニングが色々あったが、ようやく落ち着きそうだ。

ハプニング中のおよそ2週間、二人は我が家に居候していたので、人が増えると家事が増え、朝が早いやら夜が遅いやら、年寄り二人でひっそり暮らしていた我が家の生活は乱れに乱れ、睡眠不足になってしまった。やっとそれが終わると思うと、嬉しいような寂しいような・・・

ところで、次女は管理栄養士、その夫は保育士。いずれは幼児教育に食育を取り入れたいという夢を持っている二人の希望で、我が家の狭い庭を畑に改造した。わが夫は畑仕事には全く興味がないが、決められた任務は確実に遂行してくれるので、もっぱら毎日の水やり当番。あとの三人で畑を管理するという暗黙の了解。

手始めにきゅうり、なす、ミニトマト、パプリカの苗を買って植えた。どれもスクスク育ってきている。次女の大好物スモモとブルーベリーも植えてみた。欲張りすぎて密度が高くて失敗するのではという一抹の不安が・・・

紫の花が落ちた後に、紫の可愛い小さな茄子ができてきているぞ!収穫の喜びはもうすぐ!!

今日は小松菜とラディッシュの種を植えてみた。ワクワク♪

副腎疲労の本当の正体

前回の復習。ストレスや炎症が慢性的に続くと、副腎のホルモンを多く必要とするため、副腎が酷使され、ついにはホルモンをつくる機能が低下することが副腎疲労という話でした。

副腎は生命活動に欠かせない重要な臓器ですから、その機能が低下して明らかな症状が出るまでに、体にはそれをバックアップする機能がちゃんとあるのです。

脳の縦断面

それが、視床下部-下垂体-副腎軸。左右の脳の中央、視覚や聴覚を大脳に中継する重要な働きをしている「視床」の少し前下方にある「視床下部」。そこから木の実のように垂れ下がる「脳下垂体」がキーになります。

視床下部-下垂体-副腎軸
hypothalamic-pituitary-adrenal-axis
HPA軸

副腎が平社員ならば、脳下垂体が課長、視床下部は部長。コルチゾールの消費量に比して副腎からの分泌量が足りなくなってくると、部長の視床下部が感知し、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンCRHを分泌して課長の脳下垂体に知らせ、それを受けた課長、脳下垂体は副腎皮質刺激ホルモンACTHの分泌量を増やして平社員の副腎に働きかけコルチゾール生成を促します。つまり、コルチゾールの在庫が減って生産が追い付かなっくなった時、部長が課長に、課長が平社員にはっぱをかけて働かせます。 これが視床下部-下垂体-副腎軸。

初めのうちは課長に言われて頑張る平社員ですが、そのうち頑張ろうにも力が出なくなり、生産量が減るので、部長がさらなるはっぱを課長にかけ、課長は平社員に・・・・これを繰り返すうちに、平社員はもちろん、課長も部長も疲弊してしまって、倒産寸前。みたいなことが脳と身体で起こってしまう。まるでブラック企業です。

これが「副腎疲労」の正体。 視床下部-下垂体-副腎軸
(hypothalamic-pituitary-adrenal-axis
HPA軸
) の障害とも言います。

そうなると生きて行くためには、使うエネルギーを極力節約する必要がありますから、体をだるくさせてあまり動かないようにし、頭も使わず働かないようにしてうつ病のような状態にする必要があるのです。そして、事ここに至ると、視床下部-下垂体が司令塔となっている甲状腺機能、成長ホルモンなども影響を受け、さらに多彩な症状を呈するようになってしまうんです。

これを改善するには、コルチゾールの浪費を減らすことが重要。

まず、体のどこかに炎症がないかどうか。ここで言う炎症とは一般的な「痛み、赤み、腫れ」などの症状を呈するものではなく、さほど自覚症状のないような、慢性の持続的な炎症。その代表は上咽頭炎(2021/7/21様々な不調の原因、上咽頭炎 を参照)、脂肪肝、歯周囲炎、そして腸(リーキーガットなど)。自覚症状がないのに、知らず知らずホルモンを浪費して不調の原因になっているのが特徴です。

次に、血糖の安定化。砂糖などの単純糖質を摂りすぎて血糖値スパイクを作ってしまうと、インスリンがドバっと出て急激に血糖を下げる。反動で下がりすぎた血糖値(低血糖)は命の危機ですから、手っ取り早く血糖を上げる砂糖やカフェインを渇望します。そしてまた血糖値スパイクが・・・という悪循環。この状態は無駄に血糖を上げるホルモンの出動を要し、コルチゾールもアドレナリンも無駄遣いされます。砂糖やドカ食いは色々ダメなんですが、こんな結果も招いてしまうんですね。(詳しくは、2022/1/26,2/6の低血糖 を参照)

そして、おそらくもっとも難しいのが精神的ストレス。あまりの場合には職場をかえる、離婚する、家を出るなどという強硬手段を行使せざるを得なくなる場合もありますし、あえて蓋していた人間関係の修復(特に親子)を余儀なくされることもあります。

いくら栄養を整えても体調が上がらない人、知らずしらずに栄養の吸収を妨げ、栄養の浪費を増やしていませんか?

自分自身の潜在意識と真剣に向き合い、時には人生を変えるほどの大ナタを振るう必要があるほどの、脳(=精神)の問題に行き当たる可能性がある「副腎疲労のホントの正体」でした。