砂糖は麻薬

「甘い物を食べると幸せ~」と言いながら「甘いものは別腹」とケーキを頬張るなんて言う事は、自分にもありましたし、よく見聞きすることですね。砂糖を食べるとなぜ幸せになるのか、砂糖がなぜやめられないのか、砂糖を過食するとどうなるのか、というお話です。

ビタミンミネラルなど大事な栄養素は含まれず、エンプティー(空の)カロリーと言われている白砂糖。体に良くないことは、多くの人は既に知っています。特に、摂りすぎると、肥満や糖尿病を招く事は有名です。その他、栄養療法的には血糖値の乱高下、精神疾患、腸内環境の悪化(免疫異常)の原因となり、避けたい食品の代表なのです。

では白砂糖の代わりに人工甘味料だったら、摂っても問題はないのでしょうか?白砂糖や人工甘味料が及ぼす影響、そしてどんな甘味料をどのように使ったらよいか、について書いてみます。

まず初めに、「精製砂糖」とはどういった砂糖のことを言っているのか。

砂糖の種類(砂糖の種類によるミネラル量の違い)

原料によって、

・甘蔗糖(かんしょ糖)

・甜菜糖(てんさい糖)

・やし糖(ココナッツシュガー)

色によって、白砂糖・赤砂糖・黒砂糖などと分類できます。

甘蔗糖(かんしょ糖)は「サトウキビ」から作られる砂糖です。

サトウキビの主成分であるショ糖と蜜を分けずに作られるのが、「黒砂糖(黒糖)」です。

黒砂糖から蜜を除き精製することで、「ショ糖」が主成分となるのが「精製砂糖」(上白糖、グラニュー糖、三温糖など)です。

黒砂糖(黒糖)には、蜜由来の豊富なミネラル成分が含まれますが、白砂糖(上白糖、グラニュー糖、三温糖)には黒砂糖のようなミネラルは含まれません。

スーパーで見かける「きび糖」や「粗糖」という砂糖もありますが、これは黒砂糖の不純物を少しだけとりだして、ミネラルを少し残している砂糖です。精製された(不純物を極力取り除いた)白砂糖や三温糖と、精製されていない黒砂糖の中間位置的な砂糖となります。

甜菜糖(てんさい糖)はビート糖ともいわれ、「砂糖大根」を原料にして作られる砂糖です。サトウキビが原材料の甘蔗糖(かんしょ糖)と本質的には変わりはありません。サトウキビは九州や沖縄で栽培されますが、砂糖大根は主として北海道で栽培されています。

これらの砂糖は糖質だけを植物から取り出した精製されたもので、精製されればされるほど、ミネラルなど糖以外の栄養素がなくなっていきます。砂糖は生成されるほど吸収が早く血糖値を急上昇させることで、以下のような害がおこります。

その1 低血糖症の問題:お米やイモ類のようなデンプンと比べると、分解・吸収速度が早く、急激な血糖値上昇がおこり、血糖を下げるインスリンは食事スタート時よりも、一歩おくれて分泌される特徴があります。

お米などの多糖類のように、分解されるのに時間がかかる食品であれば、通常のインスリン分泌のタイミングでも間に合います。しかし、一気に飲むブドウ糖入りのジュース、白砂糖のように吸収速度の速い食品では、インスリン分泌が間に合わず、急激に血糖値が上がってしまうのです。

さらに、遅れて分泌されてしまったインスリンの影響で、今度は血糖値が下がりすぎてしまい、低血糖の症状として体調が悪くなってしまうことがしばしばあります。低血糖症の症状では、頭がぼーっとすることで集中力の低下、頭痛、激しい眠気などがおこります。ひどい場合は、意識がもうろうとして倒れてしまうことさえあります。

その2 精神面への影響:血糖値が下がりすぎると、今度は急いで血糖値を上げるために、アドレナリンやノルアドレナリンという血糖を上げるホルモンが分泌されます。アドレナリンは興奮作用があり、過剰の場合はイライラ感やキレやすくなることもあります。また、ノルアドレナリンの過剰は不安感や恐怖感が生じます。現代の精製された砂糖の普及が、キレやすい子供を増やしていると警鐘を鳴らす専門家もいます。

うつ病で治療している人の中でも、実はうつ病ではなく、精製された砂糖の過剰摂取による低血糖症が精神疾患の原因だったという人は少なくありません。こうした人は、精製された砂糖をやめるだけで、症状が落ち着いていくことがあります。

その3 肥満や糖尿病の問題:肥満にも、インスリンが影響しています。人間は血糖値が下がると、血糖値を上げるために、空腹を感じる仕組みとなっています。砂糖を摂取後、急激に高血糖となり、その後インスリンが働き血糖値が低下します。血糖値は下がりすぎると、空腹を感じて、手っ取り早く甘い物を食べてしまい、再び急激な血糖値上昇と低下の乱高下が繰り返されて、食欲の無限ループが続いてしまいます。これが、砂糖を沢山摂ることで、過食傾向となる理由です。

また、インスリンは脂肪を体内にため込む働きがありますので、インスリン分泌が過剰になるような食生活では肥満へ一直線です。内臓脂肪が増えてくると、「インスリン抵抗性」といってインスリンが効きにくい体になってしまうのです。

こうなってしまうと、通常のインスリン量では、血糖値は下がらなくなりますから、インスリンを分泌している臓器である膵臓(すい臓)がインスリンを沢山分泌しようと酷使され、膵臓(すい臓)が疲れきってしまうと、今度はインスリンが出にくくなる糖尿病(2型糖尿病)になってしまいます。

その4 腸内環境の悪化:砂糖は腸内悪玉菌の好物です。腸内の悪玉菌が優位になることで、腸内の異常発酵(肉などのたんぱく質を餌に、腸内微生物によって毒素が産生される)が繰り返されていき、より一層、腸内に「カビ・酵母菌」や「悪玉菌」が増えるというような悪循環になっていきます。この「カビ・酵母菌」の代表が、「カンジタ菌(カンジダ菌)」です。

腸内のカンジタ菌が増えすぎると、・頭に霧がかかったようになり、集中力の低下をまねく  ・腸内環境の悪化、便秘や下痢  ・異常な眠気やだるさ、食後の眠気 ・甘い物の渇望  ・アトピーやニキビ、肌荒れ、その他アレルギー ・免疫低下 ・ガン ・うつ病 ・疲れやすい など様々な症状が起こります。

カンジタ菌が一度体内で増えてしまうと、さらに甘いものへの欲求が強くなり、さらなるカンジタ菌の増殖につながるという悪循環におちいるのです。

その5 骨や歯への影響:砂糖のような酸性食品を多く摂取すると、体内では中和しようととアルカリ性である「カルシウム」が骨や歯から溶け出してしまいます。すると骨や歯が弱くなり、骨粗しょう症や虫歯の原因となります。

その6 強い依存性:マウスの実験です

  • 砂糖水を与えて3日後には麻薬のヘロインやモルヒネと同じ脳内麻薬(陶酔、高揚、幸福感、鎮痛効果のある脳内麻薬Bエンドルフィン、やる気の源ドーパミン)が分泌され、
  • 味をしめて摂取する量がどんどん増え、1日24時間寝る間を惜しみ砂糖水を摂取するようになった。
  • コカインよりも高い依存性を示し、中止すると麻薬中毒者と同じ狂暴化するという離脱症状を認めた。・・・・・・・なんだか身につまされませんか?

では、血糖値を上げないと謳っている人工甘味料ならいいのでは?と思いますよね。ここまで読んでもやっぱり甘いものは何とかして食べたいですか?次は人工甘味料についてのお話です。

人工甘味料とは、人工的に合成された甘味料のことをいい、砂糖よりも甘味が強く、少量で強い甘さを出すことができるため、清涼飲料や炭酸飲料、ガムなどに多く使われています。

代表的なものでは、「アスパルテーム」というカロリーゼロの人工甘味料があります。砂糖の200倍の甘さです。最近では「特定保健食品(トクホ)」にも入っていたりと、血糖値を上げないので、魅力的に感じ購入されている人もおられるかと思います。他には、アセスルファムカリウムやスクラロースという人工甘味料も有名です。

これらの人工甘味料は、強い甘味に舌が慣れてしまう事で甘味を感知する感覚が衰えて、ますます甘いものを食べすぎてしまうことがあります。皮肉なことに甘いものへの依存性が強まります。ダイエット目的で人工甘味料を使い、脳や舌が麻痺してしまい、結局別の甘いものを過食し、かえって太ってしまう人もいます。人工甘味料の腸内細菌を乱す作用も肥満の一因と言われます。

その他人工甘味料には発がん性、脳神経に対する強い興奮作用があり、癌やうつ病、認知症、自閉症を悪化させる可能性があることが分かっています。ダイエットや健康ブームにより、人工甘味料入りの健康飲料などが普及していますが、まったく健康とは程遠い飲料。どうせ甘い物をとるなら、砂糖のほうがまし。

そこで対策です。

白砂糖と人工甘味料を避けるために、避けるべき食品は・・・

砂糖・人口甘味料入りの食品

・市販のおかし、スイーツ全般

・加工食品全般(ハンバーグなどのソース、甘い味付けの調理済食品など)

・お惣菜(特に、酢の物や和え物、煮物、照り焼きなど)

・清涼飲料水、スポーツドリンク、栄養ドリンク

・市販のタレ(焼肉・生姜焼き・すき焼きのタレ)

・市販のドレッシング、ポン酢、ソース、ケチャップ、みりん風調味料などの調味料

・外食全般

精製飲料水やドレッシングに「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」などの表示はとても多いです。「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」はものすごく吸収が早いため、危険な糖類です。飲料に入っていれば、噛まずに胃から腸への流動スピードもはやいのは当然です。ですから、水分補給は水かノンカフェインのハーブティーなどで摂取しましょう。

残業続きでお疲れ気味の方、お仕事のもうひと踏ん張りに、「栄養ドリンク」や「エナジードリンク」を飲まれる方、そのビタミンやタウリン入りの栄養ドリンクにも、飲みやすくする為に糖類・人工甘味料が入っていますので、要注意です。もし、ビタミンやタウリンを摂るのであれば、ドリンクタイプではなく、品質の良いサプリメントで摂るようにしましょう。

「みりん風調味料」には水あめやブドウ糖果糖液糖などの糖類が含まれています。ですので、必ずもち米、米麹と焼酎のみで製造されている「純本みりん」を選ぶようにしましょう。

砂糖を完璧にゼロにするのは不可能ですが、出来る限りご自分で調理、加工食品なら裏の成分表示を必ず確認して選ぶようにしましょう。

外食の選び方のポイントです。

・やきとり→タレではなく塩に

・魚やお肉料理→甘い味噌煮・照り焼き・すき焼きではなく、塩焼き・麹や出汁で素材の味を生かしている味付けの料理を選ぶ

・しゃぶしゃぶ→ ゴマダレは使わないで、出汁と柚子胡椒などで

・主食→すし飯には大量の砂糖が入っているため、普通の米に

・デザート→ケーキ・お饅頭・アイスではなく、季節のフルーツに

ほんの少し確認をして選び方に気を付けるだけで、外食であっても砂糖の量は減らせます。

砂糖の選び方、代用品は・・・

「砂糖」を選ぶポイントとしては、「精製度が低いもの」です。

つまり白砂糖より本物のはちみつ(★)や黒砂糖、粗糖、ココナッツシュガーなどを選ぶと、白砂糖と比較してミネラル量が多くなります。

調理可能な方であれば、砂糖の代用品として、是非、「羅漢果(ラカンカ)」という天然の甘味料を使用してお料理をしてみてください。人工甘味料とはちがい、天然由来(ウリ科の植物)の甘味料です。主成分が「テルペングリコシド配糖体」という食物繊維で血糖値に影響しません。(注:市販の「ラカント」はほとんどが糖アルコールで、羅漢果はほんのわずかしか入っていません。)

「はちみつ」を少し使用するのも手です。「はちみつ」はビタミンミネラル、酵素、アミノ酸、ポリフェノールが含まれます。ただし、品質の良い高温加熱していない生はちみつにしてくださいね。

★安価なオリゴ糖やはちみつの成分表示をよく見ると「水あめ」や「ブドウ糖果糖液糖」など余計なものが入っていることも少なくないので、必ず成分表示を確認してください。

果糖には老化の原因となるAGE(終末糖化産物)を生成させてしまうという意味でも問題があります。実はブドウ糖より果糖の方が、AGE(終末糖化産物)を多く生成させてしまうことがわかっています。「果糖液糖」入りのジュースの場合は、生活習慣病の原因、脂肪肝、中性脂肪を増やすことにも繋がります。

旬の果物には、食物繊維、ビタミンやミネラル、抗酸化作用のあるポリフェノールなどのフィトケミカルが豊富ですが、果物と「果糖液糖」は全く別物です。

精製された砂糖ではなく、食物繊維の豊富なかぼちゃやニンジンなどのお野菜・イモ類からも糖質は摂れますので、こういった食材を利用して、バランスの良い食事を心がけたいですね。

米粉パンをネットで注文してみました。

栄養療法の講座で自然食品F&Fの米粉パンが紹介されました。ちょっとお高いけど、小麦を一切使わず、ベーキングパウダーや添加物を使用していないパン。患者さんに紹介できそうな味か、挑戦してみることに・・・

冷凍便で届いた食パン、クルミイチジクパン、アンパン、鳴門金時パン。レンジで少し温めてからオーブントースターで焼きます。どれもカリッと香ばしく持っちりしたやや硬めのパン。ふわっとした食感じゃないとと思われる方でもライ麦パン風の香ばしさできっと満足されるのでは?小麦のパン顔負けの美味しさでした~

グラニュー糖が結構入っているのは玉に瑕だけれど、パンが好きすぎてグルテンフリーが実行出来ない人にはお勧めです!

安心堂米粉パン工房(グルテンフリー米粉パン)|安心堂 食のSELECTネットショップ (anshindo-d.com)

マイコプラズマ感染症は病気のデパート。

マイコプラズマ感染症は、小児の肺炎で有名ですが、肺炎のような急性症状のみでなく長期化・慢性化するという特徴があります。

近年、早期認知症、喘息・アレルギー、アトピー性皮膚炎、慢性疲労症候群、関節リウマチ、膠原病、など多くの慢性炎症性疾患や難病と区別が難しい多彩な症状を呈し、それら疾患の根本原因となる場合が少なくない事が分かってきているのです。マイコプラズマ感染症が病気のデパートと呼ばれる所以です。

残念ながら、今の保険で測定できるマイコプラズマ抗体検査では陽性率が非常に低く、診断が困難なため認知度が低く、未だ治療に結び付いていません。

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栄養療法で脳梗塞の克服を目指す父

左右の頸動脈が閉塞してこの冬2度も倒れたわが父。すでに側副血管(閉塞血管を補う新しい血管)がある程度新生していたため一命はとりとめ、明らかな麻痺も残らなかったものの、86歳と高齢で閉塞がひどいためステントもバイパスも適応なしとなり、結局経過観察のみ。いつまた発作が起こるかわからないと主治医にはきつく言われていました。

私は何の手出しもできず、せめて病院食の朝食のパンと牛乳、これだけはやめてもらうようお願いしました。(ホントはこれ、全ての患者さんに適応してほしいところですが・・・・)で、少し暖かくなった今年2月中旬に退院しました。

頑固でワンマンでヒトの言葉になかなか耳を傾けない人ですが、さすがに今度ばかりは母の多大な協力のもと私のアドバイスを忠実に守り、グルテンフリー、カゼインフリー、砂糖制限をし、ヘルシーパス社のマルチミネラルビタミンのサプリを摂取しています。閉塞血管には石灰化がみられたため、Caと拮抗するマグネシウムもトレースミネラル(にがり)、エプソムソルト(入浴剤)で摂っています。毎日母と二人で作る新鮮な野菜をたっぷり食べ、近海で摂れる魚や時にはお肉も食べ、甘いおやつやつくだ煮などは極力食べずに過ごしています。

暖かくなってきたのも日にち薬にも助けられ、徐々に体力を回復し、筋力もつき、認知機能も回復してきています。少し高めだった血圧も血糖も薬なしで良好。最近は家業の畑仕事に精を出し過ぎて母を心配させるほどです。また、退院後気が立って怒りっぽくなっていた父が穏やかになったと言います。さらに毎日日経新聞を熟読してパソコンで株の売買をささやかな楽しみにしているようです。(これはやめてほしい事ではありますが、体でお金を稼ぐことができなくなった父の、せめてもの社会参加なのだろうと思います。)

医学が踏み込んでくれない予防の領域。これこそが栄養療法の神髄です。ここまで来てしまった状態で、今後どれだけの予防効果、延命効果があるかわかりません。ですが、なにより恐怖におののきながら生きて行くより、自ら取り組むことで予防できる可能性があることが両親の心の支え、励みになっているのです。

何もしなければすぐに死んでしまうような状態から生還させる治療を得意とする西洋医学は、分かりやすく劇的です。でも、栄養療法のような治療は、たとえ劇的な効果が見えないところで起こっていたとしても、効果があったのか、自然の成り行きか、比較するものが見えないため認められにくく、理解してもらうことが困難です。でも、私は、今やっていることが水面下で父に劇的に「効いている」のだと信じています。最後の日まで元気で笑い、働けていることを祈りつつ・・・

グルテンフリーと生米パン

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グルテンフリーという言葉がやっと日本でも市民権を得てきたように思います。グルテンは小麦に含まれる蛋白質で、消化が悪いため腸内環境を悪化させ、アレルギーの原因になることもあります。

世界的なテニスプレイヤー、ジョコビッチ選手の本は、グルテンフリーという言葉を有名にしました。

わが娘もグルテンフリーを含む食事療法で蕁麻疹を克服しました。私の患者さんで、グルテンフリーを徹底して頂いて難治な症状が改善した方はたくさんいらっしゃいます。皮膚の病気では蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、喘息、脱毛、血管炎など。蜂窩織炎やヘルペスなどの繰り返す感染症がほとんど起こらなくなった人、過敏性腸症候群の症状が劇的に改善した人もいます。

そうは分かっていてもなかなかやめられないパン。グルテンフリーを勧めた患者さんの多くは何とかしてパンを食べようと、米粉パンを探し回ります。

米粉パンは最近そこここで見かけますが注意が必要なのは、米粉では小麦のパンのようなふっくらパリッとが難しいらしく、グルテンを添加している物がありますので、必ずグルテンフリーの物を買ってくださいね。

ところで生米パンってご存知ですか?偶然見つけた本。生米パンの作り方です。

米粉は酸化しやすいし、常備はしていないので、生のおコメからパンを作るというこだわりのパン。と思いきや、作り方は意外と簡単。半信半疑で試しに作ってみました。

なんとなんと、グルテンは使っていないのに、ふっくらパリッと美味しい!!!しかも小麦のパンのようにこねることもせず、ミキサーで全材料をガーっと撹拌していきなり型に流し込み、そのまましばらく発酵させた後オーブンで焼くだけ。いたって簡単です。

小麦はやめたいけどパンが食べたい人、特にお料理好きの方、必見です。

材料(16.5×6.2×6cmの型)①米115g(浸水済150g)②油13g③メープルシロップ8g④塩2g⑤湯70~75g⑥酵母3g(ドライイーストならば2g)・・・私は家にあったパウンド型が大きかったので、いつも倍量で作っています。

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栄養療法で免疫向上を

新型コロナウイルスが世の中を席巻していますが、ちょっと視点の違うコロナの話です。

誰もかれもがマスクを着用し、頻回に手をアルコール消毒し、外出や外食を控え、この新しいウイルスを徹底回避しようとしています。けれども、そんな人間たちをあざ笑うかのようにウイルスは未だ勢力を拡大している、とマスコミや専門家は警鐘を鳴らし続けています。

コロナ撲滅のスローガンのもと営業停止で収入を絶たれた人、職を失って路頭に迷い自殺するヒトもいます。コロナの対応と休業補償の為と言って、いったいどれだけの税金が、国債という子孫への借金で投入されているのでしょう?コロナ感染で死にさえしなければ、それでよいのか?と思ってしまいますが、それも致し方ないのでしょうか?

一方、免疫はある程度の外敵にさらされてこそ鍛えられます。また、適度な紫外線を浴びて免疫に深く関与するビタミンDを活性化させることも重要です。子供が目先のウイルスを過度に避け続け、外遊びもせずに成長したら、どこで免疫が鍛えられるのでしょうか?「ヒトを見たらばい菌と思え」的な環境で育つ小児や若者の精神発達も心配です。

人間の体には体の細胞の数をはるかにしのぐ多くのの微生物が生息して、栄養素を作り出したり、外敵と闘ったり、心を落ち着かせる物質を作る手助けをしてくれています。腸管の中の微生物は腸内細菌叢と言って、近年急速に研究が進み注目されています。皮膚の表面にも多くの微生物が住んでいて、皮膚細菌叢と呼ばれていますが、これらも皮膚表面の外敵と闘ってくれているのですよ。アルコールで消毒したら、どうでしょう?常在する良い菌まで死滅してしまい、肌荒れを起こして通常入らない異物の侵入をかえって許してしまいませんかね?水道があるところならば、水洗いくらいにとどめて洗いすぎないほうが良いと私は思います。

83歳の私の父は、「高齢者が新型コロナウイルスに感染すると重症化する。外出を極力控えるように。」と声高に叫ばれ始めたことで不安から抑うつ状態になり、不眠が続き、運動量が減り、挙句の果てに脳梗塞を発症して先日入院しました。本当の話。

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日本の医療制度と栄養療法

電磁波の害もトランス脂肪酸の害も、欧米では国レベルで何らかの規制がなされているところが多いですが、日本では規制どころかまだまだ一般に十分知らされてもいません。いったいこの国は国民の健康を、将来の世代を健全に育てる事を本気で考えているのでしょうか?

国民皆保険制度が日本ほど充実している国はありません。国民は貧富、年齢を問わず、安い費用で十分な医療を受けられるという意味では一見とても恵まれているように思われます。癌などの高額医療を受けている方からは、「医療費が安いなんて!?」という声が聞こえてきそうですが、高額医療制度で負担額の上限額が決められているわが国では、高額な患者さん負担の何倍もの費用を国が負担しているのです。

多くの人が、たくさんの公的な医療費を使って多くの(しばしば高額な)薬を飲んだり何度も手術を受けたりしています。「死なせない」ことにかけては世界一といっても過言ではありません。それでは、日本人はみな健康で長生きするのか?といえば、必ずしも健康とは言えない状態で医療を受け続けて長生きしているのが現状です。

電磁波やトランス脂肪酸など病気の元凶を野放しにしておいて、病気になったら高額な薬や治療に国のお金を湯水のごとく使って長生きさせるような医療・・・

他の国が到底買えないような高額な薬を売りつけて巨額の利益を得る世界の製薬業界の「カモ」になっている日本・・・

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トランス脂肪酸

デジタル毒が海外では規制されているのに日本では野放し、というお話をしました。

害があるとして海外では規制されているのにこの国では野放しとなっている「先輩」がいます。「トランス脂肪酸」です。

トランス脂肪酸とは不飽和脂肪酸(主に液体の植物性油脂)に水素添加して常温で固体になるよう加工された油、工業的油脂です。マーガリンやショートニングなどがこれにあたります。安価なスナック菓子やパンのほとんど、フライドポテト、お惣菜の揚げ物や加工食品、サラダ油などありとあらゆるものに使用されています。バターなどに比べ安価で酸化しにくい(日持ちする)ためです。

しかも注意が必要なのは、原材料名に「トランス脂肪酸」とは書かれていない事です。マーガリンやショートニングと書かれていればまだわかりますが、たいていは「植物油脂」など、なんだかよさげに聞こえる分かりにくい表記となっています。

脂質は多くの臓器や細胞膜の原材料となる重要な栄養素です。細胞膜を構成する脂肪酸は、口から摂取したそのままの脂肪酸が使われるのですが、不自然なトランス脂肪酸が取り込まれた細胞は、その細胞の機能が悪くなり、免疫細胞からは「異物」と認識されます。

そのため、炎症を引き起こしやすく、脳血管障害、自己免疫やアレルギー、心疾患、うつ、認知症、ガンなどとの関連などが報告されています。脳の細胞には脂質が豊富です。子供の脳の発達に影響する可能性も指摘されています。

トランス脂肪酸の危険性が判明するやいなや、・・・

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デジタル毒

電磁波の害がひそかに言われつつあります。欧米では国レベルで何らかの規制がなされているところが多いですが、日本では規制どころかまだまだ一般に知らされてもいません。5G時代に突入して電磁波の被ばく量がけた違いに多くなる時代が来ているというのに、です。

今回は、敬愛する内山葉子先生の「デジタル毒」をご紹介します。

内山先生は、有害な電磁波を「デジタル毒」と名付けてこの本を書れています。デジタル毒は①酵素のはたらきを阻害することで様々な生理機能を障害する。②ホルモンに影響を与える。③腸内細菌叢へのダメージ。④ミトコンドリア(エネルギーを作る)機能を障害する。⑤自己免疫の異常。などの多くの弊害があります。

それゆえ、デジタル毒がもたらす症状は多岐にわたり、頭痛、肩こり、めまい、不眠、イライラ、目の疲れ、慢性疲労といった不定愁訴的なものから、関節痛、認知症、月経異常、不整脈、てんかん、糖尿病、アレルギー、肥満、ガンなどありとあらゆる疾患との関連も言われています。中でも特に小児の脳の発達に影響を与えることが懸念されます。小児の脳は発達が著しいことに加え、頭蓋骨は小さくて薄く、電磁波が深部に浸透しやすいからです。

電磁波の害は言葉では分かっていたつもりでしたが、お恥ずかしながら自分のこととはあまり考えていませんでした。しかし、電磁波を意識して自分の体調が劇的に改善するきっかけとなった出来事を体験したのでシェアしたいと思います。

このブログをきちんと書き始めたのは、勤務医を退職した直後からですが、退職直後は疲弊して朝起きるのも家事をするのもつらい状態でした。

栄養療法的に言う「副腎疲労」の状態であることは、検査データ上も明らかで、病院勤務医時代はアドレナリンで鼓舞し、体に鞭打って働いていたので、仕事を辞めて気が抜けて疲れがどっと出たのだなと思っていました。

実際その側面は否めませんが、2か月経ってもますます異常な肩こりと倦怠感が続き、頭のはたらきも鈍くなって気力もわかなくなってしまいました。

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栄養療法の保険診療での試み

医学部教育 患者さんに「食べ物は関係ありますか?」と尋ねられたとき、特に食習慣との関連が言われれていない疾患では、医師は「何でも食べてください。」とか、よくて「バランスよく食べましょう」と答えるのが極めて普通で「お菓子や甘いものは控えめに」と言えば上等です。皮膚科では、近頃は患者さん側からそう聞かれる頻度も減っているように思います。病気は薬で治すものという認識が強くなっているのです。最近やっと特に食習慣と関わりの深い生活習慣病に対する管理栄養士の栄養指導に保険点数が付くようになったところです。

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日本の医学部では「栄養」やそれと関連して疾患を考える授業などほんのちょっぴりです。「栄養」と言えば極端な欠乏症、「食物」と言えばアレルギーを起こす食べ物を除去する事しか教わらないのです。通常の医療が「食」を軽視して薬剤に頼るのも無理からぬことでしょう。余談ですが、日本では「医療」の下に「栄養」があるとイメージされ、栄養士さんの地位は医師の下のように思われているのが現状ですが、アメリカでは栄養士さんは医師と同等の地位と権利を持っていると言っても過言ではないようですよ。

食事調査 急性期病院の皮膚科には、「急性疾患」はもちろんですが、アトピー性皮膚炎に限らず、難治な慢性の皮膚疾患患者さんが次々と紹介されてきます。栄養療法を学びはじめた私は、慢性疾患の多くは免疫異常と関連があり、患者さんのほとんどが栄養療法の適応になると感じ始めました。そこで、治療に少しでも躓いているほぼすべての患者さんに日ごろの食事内容を尋ねるようになりました。わかったことは、皮膚疾患の治療に難渋する人の多くが、糖質過多、蛋白・野菜不足の食習慣であるという事でした。そこでほとんどの患者さんに、糖質を控えてタンパク質と野菜を積極的に食べる事、という指導を始めました。すると原因不明の慢性疾患が改善することが少なくはないのです。

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