先日、クリニックで恒例の「ココロとからだセミナー」を開催しました。
都合がつく限り必ず来てくださるメンバーが2,3人、という、超人気セミナー(笑)今回は「睡眠」の話。
睡眠の原因には以下の5つようなものがあります。
・生理的原因:交代勤務やシフト制、時差、寝室の環境、スマホなど
・心理的要因:ストレスや悩み、緊張、別れなど人生の大きな変化
・身体的原因:痒み、痛み、下痢、咳、発熱、加齢など
・精神医学的原因:うつ病、統合失調症、アルコール依存症など
・薬理学的原因:中枢神経抑制薬、降圧剤、抗がん剤、ステロイド、カフェインなど
そして睡眠障害には以下の4つの種類があります。もちろん混合している場合もよくあります。
・入眠困難 ・途中覚醒 ・早朝覚醒 ・熟眠障害
良い睡眠をとるためには、生活習慣が重要です。特に、脳のスイッチのON、OFF
<脳のスイッチをON>
・早起き
・朝食をよく噛んで食べる
・朝日を浴びる
・仕事(活動)は午前中に集中して
・日中できるだけからだを動かす
<脳のスイッチをOFF>
・夕方早く仕事を終える
・入浴は寝る90分前に終える:40℃、肩まで浸かって10~15分
深部体温をいったん上げて下がる頃に眠くなる
・部屋の明かりは薄暗く、音楽を聴くなどしてボーっと過ごす
・寝具:背中を温める、締め付けの少ないパジャマ、靴下は履かない
電気毛布やアンカは就寝前にOFF
良眠には深部体温をさげることが必要で、手掌足底は覆わないほうが良い。
・アイマスクはお勧め (目とくびを温める)
と、ここまでは一般的にも良く言われていること。
実は、ここからが本題です。
熟眠障害には自覚がない場合も結構あるってご存知でしょうか?例えば
□寝汗 □寝違え □夢を見る □朝から疲れている
□食いしばり・歯ぎしり □朝ごはんが食べられない
□お通じ(排便)が困難 など。
思い当たる人は少なくないはず。
実はこれらの症状、交感神経の刺激によるアドレナリンの作用なんです!なんで、夜間に興奮系の脳内ホルモン、アドレナリンが出てしまうのか!その犯人は、「夜間低血糖」
食事をとらない夜間の血糖は脳下垂体から分泌される成長ホルモンと、副腎皮質から分泌されるコルチゾールが支えているんです。
どちらも栄養不足、ストレス、睡眠不足、砂糖の摂りすぎ、カフェイン、アルコール、腸環境の悪化、スマホなどの電磁波や光などの影響を大きく受けて低下してしまいます。そうすると血糖を上げるホルモンのバックアップ隊アドレナリンの出動です。睡眠前野睡眠中にアドレナリンが出ると、目が覚めてしまったり、悪夢を見たりして睡眠の質が悪くなります。「分かっていてもやめられない」と言われそうなものばかりだけど、知っているといないでは大違い!
心当たりのある方、このブログの栄養療法のカテゴリーに入っているタイトル、特に2022/1/26「低血糖症」の回、2022/2/6「低血糖症対策 補食」の回を復習してみてください。私の患者さんでも、根気よく取り組んで眠剤が要らなくなった方、大勢います!