睡眠薬からの卒業、私はこうしました。

勤務医時代、朝は6時に起きて朝食とお弁当(娘ふたりと夫)を作り、夜8時ごろに帰宅して夕食を作り、何だかんだで就寝は夜中の12時、1時。もちろんそれまでに激しい睡魔に襲われても頑張って耐え、またはちょっとだけ仮眠しながら、明日の準備・・・そんな生活を長年続けて、とうとうたびたび眠剤のお世話になるようになってしまった私の、脱眠剤大作戦のお話です!

若い頃は布団に入るや否や眠りについていましたが、40歳を超えたころからいざ就寝!となると目が冴えて、眠れない時間を数える日が多くなってしまいました。「せっかく寝られる時間なのにもったいない!」「明日の仕事に差し障る!」などと焦るとますます寝られません。いつしか枕元に眠剤を置いて、寝られなくなったらこっそり飲むようになりました。枕元に眠剤があると少し安心して、寝られない事でイライラすることが減って、これはいい方法だ、なんて思っていましたね。もっと毎日眠剤を飲んでいる人もいるんだもの。このくらいなら大丈夫、とも思っていました。

でも、栄養療法を学ぶうち、眠剤で脳の機能をブロックして寝るのと、穏やかな良い睡眠をとるのは全然違う、と知り、また、眠剤の連用で脳機能が低下する可能性もあるとも知りました。テレビの特集でも脳科学的に睡眠の重要性が取り上げられる機会も多くなってきたところを見ると、世の中には寝られないひと、結構いるんだ。私ったら医者のくせに、なんとか克服して、患者さんにシェアしなくちゃ、って思いました。その方法とは・・・

まずは良眠に必要なホルモンのひとつ、成長ホルモンは夜中の2時ごろがピークだが、入眠が遅いと分泌が悪くなる。早く寝るって大事ってことが分かった。まあ当たり前のことだ。けど、当時の私の生活では、それがなかなかできないのだ。だって、帰宅して休憩もしないで家事をして、寝るまで家事をし続ける。さぼってる時間なんかないんだもの。早く寝るなんて無理!(今から思えば、その発想自体が間違ってるんですけど)

次に考えたのは、神経伝達物質、特に睡眠に関係の深いメラトニンを増やす方法。メラトニンはセロトニンが代謝されたもの。原料はアミノ酸、そして代謝の過程でビタミンB群、ミネラルが必要。うん、これなら何とかできそう。寝る前にアーモンド数粒を食べ、容量が十分で信頼の出来るメーカーのドクターズサプリ(マルチビタミンミネラル)をとりよせ、寝る前に飲む事に。まあ、眠剤ではないんだから、そうすぐに寝られるものでもない。でも続けるうちに眠剤内服の頻度が明らかに減った。

その次に考えたのは、夜間低血糖の克服。フリースタイルリブレという組織液中のブドウ糖(血糖に近い値)を2週間連続的に図る装置をつけてみたところ、夜間に頻繁に低血糖(50台とかひどいときは40台:基準は80~140くらい)になっている。低血糖はエネルギー切れ、生命の危機だ。それを回避するために夜中に出てはいけないアドレナリンという興奮系のホルモンが出ているのだ。そこで、夜間のエネルギー切れを予防するため、寝る前に小さじ1杯のココナッツオイルを食べるようにした。これで入眠は問題なくなり、眠剤を飲むことがなくなった!万歳!!!

ちなみに、ココナッツオイルは中鎖脂肪酸。中鎖脂肪酸は脂質の中では吸収が容易でエネルギーになりやすく、その他さまざまな生理機能を有するオイルと言われていますが、その様々な効果はココナッツオイルから炭素数8のカプリル酸、炭素数10のカプリン酸を取り出したMCTオイルが持っているものです。最近は癖のないMCTオイルを使っています。

だまされたと思って、やってみてください!少なくとも害がないんですから。

眠剤は手放すことができるようになりましたが、早朝覚醒はなかなかなおりません。やはり低血糖と関連がありそうです。なぜ低血糖がおきるか、実はその根本的な問題が解決されていないのです。夜間低血糖は、昼間のストレスで、夜間血糖を維持するはずのコルチゾールというホルモンを消費しすぎているからでしょう。

私の「眠り」への挑戦はまだまだ続き、私の人生そのものを変える決断につながっていくのです。長くなるので、今回はここまで。続きはまたいつか・・・

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