トランス脂肪酸

デジタル毒が海外では規制されているのに日本では野放し、というお話をしました。

害があるとして海外では規制されているのにこの国では野放しとなっている「先輩」がいます。「トランス脂肪酸」です。

トランス脂肪酸とは不飽和脂肪酸(主に液体の植物性油脂)に水素添加して常温で固体になるよう加工された油、工業的油脂です。マーガリンやショートニングなどがこれにあたります。安価なスナック菓子やパンのほとんど、フライドポテト、お惣菜の揚げ物や加工食品、サラダ油などありとあらゆるものに使用されています。バターなどに比べ安価で酸化しにくい(日持ちする)ためです。

しかも注意が必要なのは、原材料名に「トランス脂肪酸」とは書かれていない事です。マーガリンやショートニングと書かれていればまだわかりますが、たいていは「植物油脂」など分かりにくい表記となっています。

脂質は多くの臓器や細胞膜の原材料となる重要な栄養素です。細胞膜を構成する脂肪酸は、口から摂取したそのままの脂肪酸が使われるのですが、不自然なトランス脂肪酸が取り込まれた細胞は、その細胞の機能が悪くなり、免疫細胞からは異物と認識されます。

そのため、炎症を引き起こしやすく、脳血管障害、自己免疫やアレルギー、心疾患、うつ、認知症、ガンなどとの関連などが報告されています。脳の細胞には脂質が豊富です。子供の脳の発達に影響する可能性も指摘されています。

トランス脂肪酸の危険性が判明するやいなや、・・・

敏感な国ではトランス脂肪酸の規制や、含有量の制限、表示を義務化するなどの対応をしています。
アメリカ、カナダ、EU各国でも10年以上前から使用禁止や含有量の規制、お隣の韓国でもトランス脂肪酸の表示を義務化しています。

ところが、ところが、日本はまったく何の対策もとっていません。
農林水産省のHPによると、「日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量は低く、さらに、企業努力でトランス脂肪酸を含む食品は減ってきているため、バランスよくいろんな食べ物を食べていればトランス脂肪酸による心臓病などのリスクは低い。」そうです。トランス脂肪酸を含む食品がこんなにあふれている世の中で、何を根拠にそう言っているのでしょう?

マクドナルドなど、たとえ、トランス脂肪酸が規制されているアメリカの企業であっても、日本では、安価で使い勝手の良いトランス脂肪酸入りの油が使われています。
企業は、客の健康など考えていません。企業が考えているのは利益だけですから。

結局日本はこれだけ世界中で規制されていても、国としては全く対策なし。無責任な政府まかせにしていては何も変わりません。
この国においては一人ひとりが危険性を理解して、トランス脂肪酸が入った商品を買わないことだけが、トランス脂肪酸入り食品を減らす唯一の方法なのではないでしょうか?。

少なくとも、サラダ油はオリーブオイルなどに変更、マーガリンはバターに変更、お惣菜の揚げ物やフライドポテトは買わない、安価なスナック菓子の原材料に注意、くらいの心がけはしたいものです。

“トランス脂肪酸” への1件の返信

  1. サラダ油、平気で使ってました。
    早速オリーブオイルにしてみます。

    食べる物で、私自身の病気(鬱、心臓病、関節痛)が少しでも良くなるなら…

木岐 利奈子 へ返信する コメントをキャンセル

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