ポリヴェーガル理論 3つの自律神経

ポリヴェーガル理論では、交感神経を「赤」、副交感神経を腹側迷走神経複合体と背側迷走神経複合体の2種類に分類して、それぞれの色を、前者は「緑」後者は「青」として説明します。

簡単に言えば、赤はアクセル、青はブレーキ、緑はチューニングの役割です。状況に応じ、それぞれの自律神経は「自分の身を守るための反応」として働きます。つまり、赤は獲物を追いかけたり、天敵から逃げたりすることで生きるために動く、青は活動が長期化してエネルギーが枯渇したり、天敵から逃げおおせないと分かった時、少しでも生き延びる確率を上げるために動かないでいる、緑はリラックスしてエネルギーを蓄えるために安心安全な状態で休息する、そういうイメージです。様々な感情を伴いますが、それは「生き延びるための体の反応」ととらえるのです。

赤の体の特徴
 •目じりが吊り上がり、目つきが鋭く、瞳孔は開く
 •敵や危険物を探すためそれ以外は目に入らず視野狭窄
 •眉間にしわ、歯を食いしばり、あごが力み、口が渇く
  •顔は赤くほてる •肩や腕の力み、手はこぶしを握り、指差しが多くなる
  •心臓の鼓動が早くなり、脈拍もはやくなる
  •呼吸は浅くて速く、吐くよりも力強く吸いがちになる
  •胃腸の動きは抑制され、食欲は出づらく、便秘がち
  •手のひら、足の裏の多汗
  •エネルギーがたくさん必要で、筋肉や肝臓からも栄養素を作り出す
赤の反応が出た時の感情
 落ち着かない、逃げたくなるような感情:心配、不安、恐怖、焦り、動揺、パニック
 戦いたくなるような感情:不快感、不機嫌、怒り、憤慨、恨み、憎悪、憎しみ
赤の思考パターン
「どうしたらいいの?」「何が正しいの?」「大変なことになった」「逃げたい」
「どっかに行って欲しい」「ミスしちゃいけない」
「間違ってる」「~すべき」「急げ」「どうしてこうなるの?」「あり得ない」
 ジャッジメント的、二者択一的な考えになりやすい
  「正しいか違いか」「普通か異常か」「良いか悪いか」

青の体の特徴
 ・外部をシャットダウン、閉じこもりたくなる感覚
 ・倦怠感があり、身体が重たく動きづらくなる
 ・力が入りにくく疲れやすい
 ・外の情報を取り入れる余裕がない、または取り入れたくない
 ・光、音、他人との接触を拒む
 ・五感が鈍くなり、食事を摂りたくない
 ・呼吸はゆっくり浅い、血圧・脈拍低下
青の反応が出たときの感情:ブレーキをかけられたような感情
  憂うつ、悲しみ、あきらめ、途方にくれる、恥、
  劣等感、罪悪感、無力感、無感動、消えたい、死にたい
青の思考パターン
「どうせできない」「もういいや」「もうだめだ」「終わりにしたい」
「休みたい」「放っておいて欲しい」「どうでもいい」「会いたくない」
「頭が回らない」「よくわからない」「かかわらないで」「一人にして」
ストレス(災難)から一旦離れ、活動レベルを一旦下げて充電の方向に向かう目的なのです。

緑の体の特徴
・血圧や脈拍は高くも低くもなくちょうどよい
・呼吸の速さも深さも適度
・筋肉の緊張は、力みも脱力もない
・話すスピードや動作もちょうどよい
・目元が柔らかく、目じりが下がり、口角が上がって笑顔に近い表情
・声の高さやトーンもちょうどよい
緑の反応が出たときの感情
 安心感、安全感、信頼感、穏やか、平和、愛おしい、
 あたたかい、好奇心、慶び、爽やか、感動的、仲間感、
 一体感、お任せ感、誇らしい
緑の思考パターン
「いつもありがとう」「おかげさま」「ご縁をいただいてうれしい」
「恵まれているな」「よくできたな」「すごいな、感動する」「何か一緒にやろう」
「自分の事のようにうれしい」「あれもいいし、これもいい」「自然にゆだねよう」
「まかせてみよう」「なるようになる」「私たちいい感じ」

何となくイメージ沸きましたでしょうか?


 

ポリヴェーガル理論を生活に取り入れよう!

栄養療法を求めてきてくださる患者さんはほとんどが頑張り屋さん。学校の勉強や部活、仕事や育児を目いっぱい頑張っている人たちです。何とか体を元気にしたいと、これも頑張って努力しています。

何かを我慢したり、何かを取り入れて実行したりをいっぱいしているのに、体調は改善しない・・・なぜ?

そこで、最近のセミナーより、「ポリヴェーガル理論」のお話を・・・

ポリは複数、ヴェーガルは迷走神経を表す言葉です。迷走神経は脳神経の一つで、脳と全身のあらゆる臓器を結ぶ自律神経(副交感神経)です。

一般的に、交感神経は「興奮」副交感神経は「リラックス」の神経と言われていますが、この迷走神経が複数あってそれぞれの役割があるという考えです。

•1994年 ステファン・ポージェス博士が提唱した理論で、•自律神経を3つの色に分類し、心の状態を客観視することで、「心と体の関係性」を理解し、「メンタルヘルスの回復」に役立つ考え方です。

一般向けに右のようなやさしい書籍がありますので、ぜひ読んでみられると良いと思います。

ポリヴェーガル理論では、交感神経を「赤」、副交感神経を腹側迷走神経複合体と背側迷走神経複合体の2種類に分類して、それぞれの色を、前者は「緑」後者は「青」として説明します。そして、この本のような色のキャラクターを連想すると、不思議と自分や他人の心の状態を客観視でき、深刻な状態も時に滑稽に見えたり、交感神経優位でイラついている人に対しても、寛大な気持ちで受け入れることができるのです。これは私自身も生活に取り入れてみて実証済みです。

同じ出来事に直面しても、悲観的にとらえて悩む人と楽観的にとらえて悩まない人がいますね。それを私たちはその人の「性格」とかと思いがちですが、栄養状態がよくなったり血糖値の変動が穏やかになると変わるという事は、このブログを読んでくださっている方は知っていますよね?今回はそのお話とは違う角度で考えます。

「悩み」はどうしたら解決するか?たいていの場合、悩みの「内容」を解決しようとしますね。例えば、子供の成績が落ちたら、勉強しているか見張るとか、塾に行かせるとか。

でも、悩みの「内容」を解決するために、まずこれやってみてというポイントが二つ。

自分の心を整える = 「考えを整理する」 「気持ちを整理する」 

 良い経験になったと考える、 良いところに目を向ける、 忘れる、 

 認知のゆがみに気づく 原因を考え整理する など

体を整える = 心は一旦置いといて、「身体のコンディションを整える」

 筋肉を緩めたり動かしたり 目やのどに潤いを与える

 汚れている部分を洗う お腹が空いていたら何か食べる

 呼吸を整える 足の裏をマッサージする

今回は主に②の体を整えるにあたるお話です。

赤、緑、青、各キャラクターの特徴は、次回に・・・

食事がつくる発達障害③の2 ストレス

ストレスも腸内環境に大きな影響を及ぼします。ストレスというと、心理的ストレスを指すことが多いですが、ここで言うストレスは肉体的ストレスも含みます。すなわち、暑さ寒さやその変化、体の炎症、過度な運動や喫煙などです。

野生動物や、おそらく古代のヒトのストレスは、天敵に追いかけられるとか戦う事だったり事故や災害に見舞われることで、生死に関わる急激なストレス。生き延びればストレスは去り、獲物の獲得や逃げおおせた後の安らぎにかわります。生き延びられなければ命とともにストレスはなくなります。

ところが、現代に生きる私たちには、天敵に追いかけられることも生死にかかわる事象もめったに起きません。その代わり、人間関係に悩むとか、過度な仕事に追われるなど、死なない程度のストレスに慢性的にさらされている人がほとんどですよね。

子供の世界でも、同じ。友達関係、親子関係(虐待や強制)、生活環境(生活リズムの乱れ)などの大小のストレスが慢性化すると・・・・

ストレスホルモン全開で頑張った末、自律神経が乱れ、血糖値も乱れ、消化機能が落ちて腸内環境が乱れます。そして脳内物質に必要な栄養素も枯渇して、脳機能が著しく低下するのです。

発達障害には、やはりストレスも大きな原因になるんですね。

食事がつくる発達障害③の1 腸と脳

今泉栄養療法クリニックで開催した11月16日のセミナー、テーマは「腸と脳」

腸内環境の悪化は万病の元。「万病」の中には当然脳の病気、そして発達障害も含まれる、とお聞きなったら、驚きますか?

このブログを読んでい下さっている方は、多分、そう驚かないかもしれませんが、実は発達障害の子供も大人も大多数の方は腸の問題を抱えているんです。

発達障害の人に多い腸の症状の特徴

・慢性の便秘・下痢または便秘下痢を交互に繰り返す
・腹痛
・お腹を下すことがよくある
・ストレスの影響を受けやすい

これら腸の症状は、発達障害の方特有の、感覚過敏、認知のゆがみ、感情コントロールが苦手などの特性に由来することが考えられます。

脳腸相関と言う概念があります。脳と腸が神経伝達物質やホルモンなどを介して密接につながってお互い影響を与え合うという身体のしくみです。

例えば、幸せホルモンの一つセロトニンは腸で作られ、副交感神経を刺激して腸の動きを活発にし、夜間には眠りのホルモン(メラトニン)の材料になります。快楽を感じるやる気のホルモン(ドーパミン)、ストレスホルモン(ノルアドレナリン)は腸で分泌され、交感神経を刺激し、脳へ信号を送って感情に影響を与えます。そして、その「感情」がまた自律神経を介して、腸の動きや機能に影響を与えます。

つまり、脳の機能障害とされる発達障害は腸の影響も受けているってこと。腸の状態が良いかどうか、がすごく重要で、それは、いいうんちをするかどうか、でおおむねわかります。

あなたのうんちはいいうんちですか?

では、いいうんちを毎日出すためには、どうしたら良いのでしょうか?

答えは、次に・・・

食事がつくる発達障害② 低血糖

去る10月19日に開催した当院のセミナーは、発達障害第2弾 砂糖と血糖の話です。

タイトルは発達障害ですが、大人にも当てはまる血糖と脳機能、情緒への影響をお話しました。子供は、もといヒトはなぜ砂糖(甘いもの)を欲するのか。なぜ、カフェインを欲するのか・・・

セミナーでは低血糖の定義と病態をお話しましたが、その詳細は、2022年1月26日「「低血糖症」って「糖尿病」の逆ではないんです」というタイトルの投稿をご覧ください。

今回のセミナーでは、低血糖に伴うホルモンの作動が、精神状態(子供ではかんしゃくや夜泣き)や消化機能に影響し、発達障害様の症状の一因になり得るという観点でお話しましたが、それは、大人においても脳の機能、情緒の乱れという形で現れます。

そしてその対策については、2022年2月6日の投稿「低血糖症の対策「補食」」にも書いていますのでご参考にして下さい。単なる「おやつ」と「補食」のちがいを理解すること,

自分にとって最適な補食の量と食材、タイミングが重要です。以下、セミナーのポイントをご紹介します。

子供の機嫌が悪いときは・・・

◆まず低血糖を疑おう(実は、大人が疲れたとき、イライラするときも同じ。)
◆まずは補食させ、自分も補食してから子供と向き合う                      「オー低血糖来たな~」という目で見てあげると、落ち着いて対処できます。
◆親子で補食してから家事をする

子供を不調にするおやつ

◆チョコレート、ケーキ、ポテトチップス、キャンディー、アイスクリームなど…
  ⇒このようなおやつを毎日食べている子どもは、
   アトピーや喘息、発達障害などに悩むことが多いというデータも…

子供を元気にするおやつ

◆ ゆで卵、野菜チップス、ナッツ類、豆乳と果物のスムージー、煮干し、ポタージュスープなど…
◆ 糖質系なら
  おにぎり、さつまいも、じゃがいも、とうもろこしなど…
  ⇒食物繊維やビタミンも補うことができる!
 おやつ(補食)は成長に必要な栄養素を分食して摂るのが目的であり                甘いものを食べて喜ばせることが目的ではない!!

どうしてもチョコレートやケーキを食べたいとき
  ⇒先にゆで卵やチーズ、ちくわなどのタンパク質を摂取
   糖質の吸収が穏やかに&食べ過ぎ防止に!

外出時の対策

◆ 水に蜂蜜を溶かしたドリンク(ビタミンCの粉末を入れておくとビタミンCの補給にも)
◆ 甘栗や干し芋、ミニおにぎりを小分けにして携帯しておく
◆ アミノ酸サプリ
◆ MCTオイル

自分の栄養管理とリラックスで余裕をもって家族に接するための「自分ファースト」
それは「自分勝手」とは違います!

お子様のみならず、ご自身や家族、職場の同僚のイライラ対策にぜひ・・・
 食事に出し粉、MCTオイルをふんだんに使ってみましょう!
 低血糖対策(補食を携帯・摂取する)を実行してみましょう!

食事がつくる発達障害①の2 神経伝達物質と脳機能

発達障害は一般的には脳の機能の障害ととらえられています。

現に、前回ご紹介した成田奈緒子先生の著書にも、脳機能の発達の順序が違うと、発達障害もどきの症状が起こると記されていました。

では、脳の機能が正常とは、いったいどんな状態でしょう?

正常な脳機能

脳は、細長い神経細胞がぎっしり詰まってネットワークを作り、情報を伝達している場所です。情報の伝達は、上流の神経と下流の神経のつなぎ目(シナプス)において、神経伝達物質を受け渡しする事で行われています。

必要な情報が、必要な時に適切に伝達される、つまり脳の機能が正常に作動するには、神経伝達物質がバランスよく作られることが重要で、

神経伝達物質を作るには、必要な栄養素が充足していなければならないのです。

逆に、脳の機能が低下しているとは?

脳機能の低下

神経伝達物質の・材料が不足している状態と・材料を作るために必要な酵素のDNAにトラブルがある状態、です。

さて、どちらの影響が大きいでしょう?

もちろん栄養不足にも程度があるし、遺伝子トラブルにも程度がありますから、どちらとも言えませんが、ただ、言えることは、変えることができない遺伝子トラブルがあっても、環境や食事で症状を変えることができる、という事です。

実は脳は、栄養の影響を最も大きく受ける臓器なんです!

脳内には、抑制系、調節系、興奮系の3つの系列の伝達物質があります。

それぞれの系列のスタートとなるのはアミノ酸(タンパク質が消化されたもの)で、酵素が働いて順々に代謝され、目的の物質を作っているわけです。酵素の主原料もタンパク質ですが、その化学構造の中身はミネラルを含むことが多く、また、酵素が働くためには補酵素であるビタミンも不可欠です。

例えば、調節系の神経伝達物質、別名幸せホルモンと言われている「セロトニン」の代謝を見てみましょう。

調節系伝達物質の代謝

セロトニンが不足すると、不安やこだわりが強い イライラしやすい、怖がり、パニック睡眠が上手く摂れない、などうつのような症状が現れます。実際、最もポピュラーな抗うつ薬の一つはセロトニンの量を増やすように設計されています。

右図のようにセロトニンを作るにはまずスタートとなるトリプトファンというアミノ酸に、鉄、リチウム、マグネシウムなどのミネラル、葉酸、ナイアシン、ビタミンB6というビタミンB群などが不可欠です。何かが欠けると、この代謝の流れがスムーズにいかず、必要なセロトニンを作れず、セロトニンから代謝されてできるはずの、別名眠りのホルモン「メラトニン」も作られなくなるのです。

神経伝達物質のアンバランス

神経伝達物質のアンバランスは、右のような症状を起こしますが、これらの症状が発達障害で見られる精神症状と一致するところが大きいので、

というわけで、一般的には発達障害は脳の障害ととらえられています。

食事がつくる発達障害①の1 「生活リズム」 

去る9月21日、毎月恒例の「ココロとからだセミナー」を開催しました。

テーマは「食事がつくる発達障害」第1話 タンパクとビタミン・ミネラルのお話、だったのですが、栄養の前に知っておきたいことがありました。

それは、最近読んだ、文教大学教授 成田奈緒子先生の「『発達障害』と間違われる子供たち」成田先生は小児科医であり、ずい分以前より「早寝 早起き 朝ごはん」という非常に語呂の良いスローガンを掲げて子供の良好な精神発達を目指す、子供の脳科学の専門家です。

この本には、子供の脳の発達には順序があって、正しい順番に発達させなければならないと書かれています。

体の脳(土台)がしっかりしていると安定
体の脳が育っていないとバランスを崩しやすい

①からだの脳:呼吸・体温調節など、生きて行くために不可欠な脳

②おりこうさん脳:言語・計算・スポーツ等に必要な脳

③心の脳:想像力を働かせる、判断する、など人らしい脳力をつかさどる脳

これがこの順番に育たなければ、何かでバランスを崩すと「発達障害もどき」になる、と言うのです。

そして、からだの脳は、「寝る」「起きる」「食べる」など基本的な生活リズムを身につけることで育つのだそう。そう、「早寝 早起き 朝ごはん」です。

子育ての目標は、立派な原始人を作ること!!!と断言しています。

そして、発達障害かも・・・と言われたら、あるいは思ったら、すべき事

病院に行く前に、生活リズムが整っているかチェック

  ちゃんと食べているか、ちゃんと寝ているか

まずは朝早く起きる➡子供の興味を引くようなもので起こす

勉強を頑張らせ過ぎない(睡眠時間を削らない)

それを実行しても、なお改善しなければ初めて、病院へ・・・と書かれていました。

「発達障害もどき」とは、発達障害が、子供の行動のチェックリストなどで比較的安易に診断され、投薬されたりしてしまうことがある現状において、まず生活リズムが大事と訴える成田先生の苦肉の「造語」なのです。

これ、食事内容以前の最も大切な事ですね。それを無視して食事の話をするわけにはいかん、と思い、セミナーの初めの時間を結構割いて、成田先生の本の内容をご紹介しました。

そしてさらに、私は「ちゃんと食べる」に、「何をどのように食べる?」を加えると、「発達障害もどき」がもっと減るはず!と思っているのです。

本題は、次回から・・・・

受け身の言葉を主体的・能動的な言葉に変えて使う習慣をつけることで、エネルギー値が上がります

私のクリニックの見つけにくいホームページを見つけてクリニックに来てくださる患者さんは、ほとんどの方が頑張り屋さんです。まじめで家族思いで仕事熱心で、勉強家で努力家で、栄養の知識も持ってらっしゃり、食事にも気を配って生活して、何とか元気になりたいと思って、でもなかなか元気が出ない方が多いんです。

そんな患者さんに「先生のブログを読んで、とても共感しました。」と言っていただくことが一度ならずあって、こんな更新の遅い、拙いブログを読んでくださる人が今もいるんだと、改めて思いました。

食事も栄養もとても大切ですが、栄養を体に取り入れるには、口から始まり、肛門に至る消化管という長~い管が正常に働いてくれることが大前提です。ストレスや緊張で消化管の機能が下がるので、栄養を正しく摂ることに頑張りすぎることも、皮肉なことに栄養の吸収を妨げてしまいます。

さらに、栄養を摂る最大の目的はエネルギーを作ること。全身のたった2%の重量の脳が安静時でも約20%のエネルギーを消費してるってご存知でしたか?つまり、せっかく栄養を摂っても、頭であれこれ考えすぎて悩みすぎると、ただでさえエネルギー食いの脳に多くのエネルギーつまり栄養が奪われてしまいます。

エネルギーを作る事と消費する事の収支の結果=その方の元気度を「エネルギー値」と言いますが、このエネルギー値、心の持ちよう、思考パターンに大きく左右されます。

何を隠そうこの私、栄養療法家にあるまじき、自分の体調不良(明らかに寝不足・過労が原因)を白状せねばなりません。

明らかなオーバーワークとポリシーと違う仕事に追われた勤務医から一転、栄養療法クリニックを開設して、完全予約制で自分のポリシーを曲げずに診療するようになって、ずいぶんと時間にも心にも余裕ができたと思っていたのですが・・・

日々より良い診療のためにあれこれ資料を準備したり、業者さんと交渉したり、もちろん勉強もしたり、やりがいのある楽しい作業と思って、睡眠時間をけずり頑張っていました。

一方、慣れない事務作業、眼科スタッフに栄養療法の患者さんの会計処理をお願いして慣れない仕事の負担を増やすことへの罪悪感、保険診療の何倍もの労力をかけているとはいえ、保険診療の何倍もの自費料金をいただくことの罪悪感。

とどめは娘の里帰り出産で、「まごわやさしい」、ならぬ、「まごはかわいい」で頑張りすぎた・・・泣 などなどでとうとう年末にひどい風邪をひいてしまいました。

そして、そんなこんなで投稿が滞っている間に、ブログの優先順位を自ら下げてしまっていました。そして、おさぼり期間が長くなると、だんだんハードルが上がって、ますます書けなくなって・・・

ところが、先日、セミナーの準備のため、心理関係の本や動画を見直していて、受け身の言葉を主体的な言葉におきかえるワークのスライドを久々に見ました。「300万円貯まったらお店を開きます。」を「300万円貯めてお店を開きます」におきかえる、「時間がない」という言葉を「時間を作ってない」におきかえる、とか。しかも自分が作って、セミナーで聞いて下さっている方々に偉そうに講義したスライド(笑)

ブログを書く時間、「ない」んじゃなくて「作ってなかったんだ」「ハードルが上がった」んじゃなくて自分で「ハードルを上げていた」と今さら気づいて反省。まあ、私の人生、こんなことの繰り返しなんですが、前向きに考えて再度ブログを更新することに・・・読んでくださる奇特な方に、元気になっていただけるような情報発信をやっぱりやろうと思います。

こんな私が言っても説得力ゼロですが、再度言います。受け身の言葉を主体的、能動的な言葉に変えて使う習慣をつけることで、エネルギー値が上がるんですよ~

おさぼりする前の最後のブログは「亜鉛」の話、しかも①。続きは下書きがすでにほぼできていたので、明日から話を一旦「栄養」に戻して、「亜鉛」を完結したいと思います。