ポリヴェーガル理論「緑の増やし方」

緑を増やすツールやエクササイズをご紹介しましょう。

リラックスアロマ
 ①ラベンダー ②イランイラン ③オレンジスイート
 ④ネロリ ⑤ベルガモット ⑥ペパーミント など、
 「好き」な香りを
・簡単なアロマの使い方
 <芳香浴>就寝時の枕元、仕事中のデスク付近、玄関の靴箱の中 
  ①精油を、ティッシュペーパーやハンカチに1~2滴含ませます。
  ②マグカップに熱湯をはり、精油を1〜2滴
  ③芳香拡散器を使う
 <フットバス>
  ・洗面器に40~42度ほどのお湯をはり、アロマオイルを1~3滴落として
   15分ほど足をつける→出る、をリラックスした姿勢で繰り返します。

体を温める
 冷えると体温を逃がさないため血管が収縮=交感神経が緊張
 熱を生み出すために余分なエネルギーを消耗
 ➡温かい下着・上着、温かい飲み物(カフェインNG)、
  ひざ掛け、電気毛布

低血糖は「緑」の敵
 血糖を上げるために交感神経優位になりやすくなります。

マインドフルネス
 「今ここ」に存在する、心をこめるもの(中心対象)を決め、そこに意識を集中する。
 呼吸、食事、身体を触る、ストレッチなど身近なもの、なんでもよいですが、
 過去・未来のことは考えず、「今ここ」に集中することが重要です。
 難しく思われる方は、深~い深呼吸をして、自分の呼吸のみに意識を集中してみましょう!

あいうべ体操:顔と舌に刺激

鼻呼吸をしやすくするための体操 1日30セット

「鼻うがい」「喉のうがい」「歯磨き」「顔に刺激」

揺らぎをヒントにしたエクササイズ スワイショウ


骨盤を左右に回転
共に動く両腕が胴体に巻き付いてくる感じ

両腕を肩の高さまで上げ、重力に委ねるように落とす
その反動で体の後ろまで両腕が動く
おろした腕の反動で、また両腕を肩の高さまで上げ、この動作を繰り返す

腕を左右交互に前に伸ばす
肋骨周りの力みが取れる感覚を味わう

筋弛緩法:緊張と弛緩の揺らぎ
 ①両腕を前に出してこぶしを握り、前腕の筋肉の緊張を感じる
 ②肘を曲げ、こぶしを肩の方に近づけ上腕に力を入れる
 ③肩を上げたまま慮こぶしを左右に開き、胸を開く
 ④3~5秒緊張させた後に一気に全ての筋肉を脱力させる
  暖かくなる感じ、、シュワ―っとなる感覚などを味わう

自然の中の揺らぎ
 緑は柔軟性があります。二者択一ではなくゼロヒャク思考でもない、つまり揺らぎです。
 (優柔不断とは、違うよ)
身近にも揺らぎがたくさんあります。
 波打ち際に打ち寄せる波
 草木の葉っぱが揺れるようす
 水面に反射する太陽(月)の光
 ロウソクの炎
 適度に揺れる楽器の音色
 赤ちゃんが抱っこされてゆらゆら

タッチの効用 肌と肌が優しく触れあっている(緑の手)
 ただそっと手を添える、 なでなでとさする、 手のぬくもりで温める
 覆い包む、 ぎゅっと握る、 揉む、 揺するタッピング 
 合掌もタッチの効用の一つです

セルフハグ

セルフハグ・バタフライハグ
 <セルフハグ>
   右手で左肩を触れ、左手で右肩を触れる。
   自分で心地よい場所・強さを見つける
 <バタフライハグ>
   セルフハグの形で、手や指のタッピング
   心地よいスピード、リズムを見つける

どうしても難しい時は「問題」から一旦離れよう
「問題」から一旦離れると、「問題」を冷静に見ることができるようになり、
相手を変えて安心する「赤モード」から、自己調整を優先する「緑モード」になりやすくなります。
そして、「赤モード」や「青モード」に、緑をブレンドする事を意識しましょう!

「ポリヴェーガル理論」「ブレンド」を語れる仲間を増やす
 ポリ語で話せる仲間が増えると、人間関係がきっと楽しくなります。
 ぜひ、ポリ仲間を増やして人生を楽しみましょう!!!


ポリヴェーガル理論「緑の見つけ方」

自律神経を、「安心安全モード」に調整しよう!

緑が出やすい環境つくりの第一歩は、まず、緑が出ている状態に気づき、どうすると緑が広がるかを考えることです。実は緑は気づきにくいんです。
でも、緑の反応が増えるほど体が調整され、あらゆる課題を乗り越えやすいコンディションになります。

例えば・・・
①ストレッチポールに背中を当ててゆらゆらしていると緑になっていた
②熱いお風呂に入った後にやるとさらに緑になるのでは?と入浴剤を工夫して実行してみたら
③とても気持ちよくリラックスできた。
こんな身近な事でOKです。
緑は穏やかで、地味なちょっとした事、派手な魔法のようではないところがミソ!

特に五感を意識すると緑が見つかりやすいです。
・視覚:赤ちゃん、小動物、植物、自然など
・聴覚:動物や植物の自然の音、癒しの周波数(528Hz、396Hz)、
    好きな人の声、歌声など
・味覚:美味しい食材や料理の味
・嗅覚:癒し系のアロマの香り、美味しい食べ物のにおいなど
・触覚:手足で触れる、全身で感じる舌ざわり、空気を感じる、土や砂など
ね、どれも身近でしょ?ぜひ、見つけてみてください。

ここで、「つらい状態」を忘れるための派手な刺激を求めすぎない事が重要です
カフェイン、砂糖依存、過食、飲酒、激辛の食べ物、飲酒、どんちゃん騒ぎ、大音量の音楽やライブなど、でストレス発散を続ければ、より強い刺激を求めるようになるんだそう。
「お酒の量や度数が増える、薬物、ギャンブル」と依存症、強迫症へ・・・
これらをしないと「赤」「青」になりそうで怖いと思ったら要注意です。

ポリヴェーガル理論「ブレンドで楽に生きよう」

あなたの体が「赤」や「青」になって苦しい時、「ブレンド」という概念を思い出すと良いですよ!

真っ赤で頑張る(死ぬ気でがんばる、憎いライバルに負けまいとしてがんばる)のは、楽しくない。緑をブレンドすると、「みんなで頑張る」「楽しく頑張る」ことができ、かえって効率も上がります。

また、真っ青で休む(頑張りすぎてうごけなくなる、やる気が全く出ない、休んでいる自分を情けなく思う)のも苦しい事。緑をブレンドすると、「みんなで楽しく休む」「安心して休む」ことができます。そうすると、休んだらまた頑張れる!と思えるものなんです。

そして、いよいよどうしたら良いか、途方にくれそうになった時の魔法の言葉は・・・・

「ま、いっか」  なるようになるさ

さあ、家族や友人、同僚と一緒にポリヴェーガル理論を学んで、「ポリ語」で話ができるようになると、素晴らしいですよ!

体と仲良く、共存した生き方

次は、「緑」ちゃんの増やし方

ポリヴェーガル理論の赤青緑を理解しよう

あなたの身体が「赤」の反応をしたとき
 ・何か大事なもの(こと)が傷つく
 ・否定される
 ・批判される
 とからだが察知し、何かを守ろうとしている生理反応なのかも?

あなたの体が「青」の反応をしたとき
 ・赤で上手くいかない「刺激」
 ・赤で頑張ってやり続けて燃え尽きた
 ・赤で対処不可能な危険(命の危機)  例)自然災害、暴言暴力、犯罪
 省エネモードで命を守ろうとしている生理反応なのかも?

「緑」は安心感や安全感を体が感じる刺激に出会ったときの反応
 ・何かを見て、聞いて、嗅いで、味わって、触れて、自然と安心を感じる 
 自分が本当に大切にしたいもの(こと)と繋がって命を守る役割

大切なことは、それぞれの反応に気づくこと、そして、どんな時にそれを感じたか
さらに、それぞれの体の想いに気づくこと

赤や青になった自分(あるいは相手)の反応に気づいたら、緑で対応してみよう

ポリヴェーガル理論 3つの自律神経

ポリヴェーガル理論では、交感神経を「赤」、副交感神経を腹側迷走神経複合体と背側迷走神経複合体の2種類に分類して、それぞれの色を、前者は「緑」後者は「青」として説明します。

簡単に言えば、赤はアクセル、青はブレーキ、緑はチューニングの役割です。状況に応じ、それぞれの自律神経は「自分の身を守るための反応」として働きます。つまり、赤は獲物を追いかけたり、天敵から逃げたりすることで生きるために動く、青は活動が長期化してエネルギーが枯渇したり、天敵から逃げおおせないと分かった時、少しでも生き延びる確率を上げるために動かないでいる、緑はリラックスしてエネルギーを蓄えるために安心安全な状態で休息する、そういうイメージです。様々な感情を伴いますが、それは「生き延びるための体の反応」ととらえるのです。

赤の体の特徴
 •目じりが吊り上がり、目つきが鋭く、瞳孔は開く
 •敵や危険物を探すためそれ以外は目に入らず視野狭窄
 •眉間にしわ、歯を食いしばり、あごが力み、口が渇く
  •顔は赤くほてる •肩や腕の力み、手はこぶしを握り、指差しが多くなる
  •心臓の鼓動が早くなり、脈拍もはやくなる
  •呼吸は浅くて速く、吐くよりも力強く吸いがちになる
  •胃腸の動きは抑制され、食欲は出づらく、便秘がち
  •手のひら、足の裏の多汗
  •エネルギーがたくさん必要で、筋肉や肝臓からも栄養素を作り出す
赤の反応が出た時の感情
 落ち着かない、逃げたくなるような感情:心配、不安、恐怖、焦り、動揺、パニック
 戦いたくなるような感情:不快感、不機嫌、怒り、憤慨、恨み、憎悪、憎しみ
赤の思考パターン
「どうしたらいいの?」「何が正しいの?」「大変なことになった」「逃げたい」
「どっかに行って欲しい」「ミスしちゃいけない」
「間違ってる」「~すべき」「急げ」「どうしてこうなるの?」「あり得ない」
 ジャッジメント的、二者択一的な考えになりやすい
  「正しいか違いか」「普通か異常か」「良いか悪いか」

青の体の特徴
 ・外部をシャットダウン、閉じこもりたくなる感覚
 ・倦怠感があり、身体が重たく動きづらくなる
 ・力が入りにくく疲れやすい
 ・外の情報を取り入れる余裕がない、または取り入れたくない
 ・光、音、他人との接触を拒む
 ・五感が鈍くなり、食事を摂りたくない
 ・呼吸はゆっくり浅い、血圧・脈拍低下
青の反応が出たときの感情:ブレーキをかけられたような感情
  憂うつ、悲しみ、あきらめ、途方にくれる、恥、
  劣等感、罪悪感、無力感、無感動、消えたい、死にたい
青の思考パターン
「どうせできない」「もういいや」「もうだめだ」「終わりにしたい」
「休みたい」「放っておいて欲しい」「どうでもいい」「会いたくない」
「頭が回らない」「よくわからない」「かかわらないで」「一人にして」
ストレス(災難)から一旦離れ、活動レベルを一旦下げて充電の方向に向かう目的なのです。

緑の体の特徴
・血圧や脈拍は高くも低くもなくちょうどよい
・呼吸の速さも深さも適度
・筋肉の緊張は、力みも脱力もない
・話すスピードや動作もちょうどよい
・目元が柔らかく、目じりが下がり、口角が上がって笑顔に近い表情
・声の高さやトーンもちょうどよい
緑の反応が出たときの感情
 安心感、安全感、信頼感、穏やか、平和、愛おしい、
 あたたかい、好奇心、慶び、爽やか、感動的、仲間感、
 一体感、お任せ感、誇らしい
緑の思考パターン
「いつもありがとう」「おかげさま」「ご縁をいただいてうれしい」
「恵まれているな」「よくできたな」「すごいな、感動する」「何か一緒にやろう」
「自分の事のようにうれしい」「あれもいいし、これもいい」「自然にゆだねよう」
「まかせてみよう」「なるようになる」「私たちいい感じ」

何となくイメージ沸きましたでしょうか?


 

ポリヴェーガル理論を生活に取り入れよう!

栄養療法を求めてきてくださる患者さんはほとんどが頑張り屋さん。学校の勉強や部活、仕事や育児を目いっぱい頑張っている人たちです。何とか体を元気にしたいと、これも頑張って努力しています。

何かを我慢したり、何かを取り入れて実行したりをいっぱいしているのに、体調は改善しない・・・なぜ?

そこで、最近のセミナーより、「ポリヴェーガル理論」のお話を・・・

ポリは複数、ヴェーガルは迷走神経を表す言葉です。迷走神経は脳神経の一つで、脳と全身のあらゆる臓器を結ぶ自律神経(副交感神経)です。

一般的に、交感神経は「興奮」副交感神経は「リラックス」の神経と言われていますが、この迷走神経が複数あってそれぞれの役割があるという考えです。

•1994年 ステファン・ポージェス博士が提唱した理論で、•自律神経を3つの色に分類し、心の状態を客観視することで、「心と体の関係性」を理解し、「メンタルヘルスの回復」に役立つ考え方です。

一般向けに右のようなやさしい書籍がありますので、ぜひ読んでみられると良いと思います。

ポリヴェーガル理論では、交感神経を「赤」、副交感神経を腹側迷走神経複合体と背側迷走神経複合体の2種類に分類して、それぞれの色を、前者は「緑」後者は「青」として説明します。そして、この本のような色のキャラクターを連想すると、不思議と自分や他人の心の状態を客観視でき、深刻な状態も時に滑稽に見えたり、交感神経優位でイラついている人に対しても、寛大な気持ちで受け入れることができるのです。これは私自身も生活に取り入れてみて実証済みです。

同じ出来事に直面しても、悲観的にとらえて悩む人と楽観的にとらえて悩まない人がいますね。それを私たちはその人の「性格」とかと思いがちですが、栄養状態がよくなったり血糖値の変動が穏やかになると変わるという事は、このブログを読んでくださっている方は知っていますよね?今回はそのお話とは違う角度で考えます。

「悩み」はどうしたら解決するか?たいていの場合、悩みの「内容」を解決しようとしますね。例えば、子供の成績が落ちたら、勉強しているか見張るとか、塾に行かせるとか。

でも、悩みの「内容」を解決するために、まずこれやってみてというポイントが二つ。

自分の心を整える = 「考えを整理する」 「気持ちを整理する」 

 良い経験になったと考える、 良いところに目を向ける、 忘れる、 

 認知のゆがみに気づく 原因を考え整理する など

体を整える = 心は一旦置いといて、「身体のコンディションを整える」

 筋肉を緩めたり動かしたり 目やのどに潤いを与える

 汚れている部分を洗う お腹が空いていたら何か食べる

 呼吸を整える 足の裏をマッサージする

今回は主に②の体を整えるにあたるお話です。

赤、緑、青、各キャラクターの特徴は、次回に・・・

エネルギー不足になるのはなぜ?

栄養療法のクリニックには、疲れやすい、やる気が出ない、気力がない、などを主訴に来院される方がほとんどです。これらはみな、エネルギー不足の症状。

エネルギーはどこから来るかといえば、もちろん食べ物、特に3大栄養素です。私たちの身体は、食べ物を食べてそれをエネルギーに変えるために動いているといっても過言ではありません。エネルギーがつくれなくなったら死ぬんです。

では、食事量が足りていないからエネルギーが足りないんでしょうか?

答えは Yes または No

食事量が足りなければ、材料がないのですから、当然エネルギーがつくれません。いわゆる「栄養失調」ですね。

でも食べていても、栄養が偏ると、材料をエネルギーに変換する仕事をする代謝が上手くいかないためエネルギーがつくれません。そうすると、エネルギーになれなかった栄養素が脂肪に変換されたり、「浮腫み」やすくなったりして、太っているのに栄養失調、つまり「新型栄養失調」です。

また、たとえ正しい栄養が摂取できていても、胃腸の消化吸収機能が低下していると、せっかく摂取した栄養が体内に入ってきてくれません。常に胃腸の調子が悪い自覚がある方はもちろんですが、食欲はあって食べられている、と思っている方でも胃腸機能が落ちている場合があります。

さらに、慢性ストレスで血糖維持装置が不調になることがあります。血糖の乱高下が起こりやすい方で、いわば小さなガソリンタンクしか持っていない車のような体です。低血糖になるとエネルギーが枯渇しやすくなります。

このような方々は、とても疲れやすく、気力もわきにくくなります。あるいは、何とかエネルギーを振り絞るために自律神経が乱れ、感情の起伏が激しくなることもあります。

栄養療法では、生活習慣や食事の改善により、胃腸機能を整え、代謝を潤滑に動かしてエネルギーを作れる体に変え、元気に、そして楽しく生活するためのアドバイスをしています。

 

食事がつくる発達障害③の2 ストレス

ストレスも腸内環境に大きな影響を及ぼします。ストレスというと、心理的ストレスを指すことが多いですが、ここで言うストレスは肉体的ストレスも含みます。すなわち、暑さ寒さやその変化、体の炎症、過度な運動や喫煙などです。

野生動物や、おそらく古代のヒトのストレスは、天敵に追いかけられるとか戦う事だったり事故や災害に見舞われることで、生死に関わる急激なストレス。生き延びればストレスは去り、獲物の獲得や逃げおおせた後の安らぎにかわります。生き延びられなければ命とともにストレスはなくなります。

ところが、現代に生きる私たちには、天敵に追いかけられることも生死にかかわる事象もめったに起きません。その代わり、人間関係に悩むとか、過度な仕事に追われるなど、死なない程度のストレスに慢性的にさらされている人がほとんどですよね。

子供の世界でも、同じ。友達関係、親子関係(虐待や強制)、生活環境(生活リズムの乱れ)などの大小のストレスが慢性化すると・・・・

ストレスホルモン全開で頑張った末、自律神経が乱れ、血糖値も乱れ、消化機能が落ちて腸内環境が乱れます。そして脳内物質に必要な栄養素も枯渇して、脳機能が著しく低下するのです。

発達障害には、やはりストレスも大きな原因になるんですね。

食事がつくる発達障害③の2 医薬品の乱用

腸内環境悪化の原因 その5 医薬品の乱用

皆さんが比較的よく処方されるお薬に、腸内環境を悪化させるものが結構あります。

腸内細菌叢の乱れは万病の元ですよ~

その代表

①胃酸抑制薬 H2ブロッカーやプロトンポンプインヒビター(PPI)

胃酸は蛋白質の消化、ミネラルやビタミンB12の吸収に不可欠ですが、食べ物に含まれる有害微生物を強い酸で殺菌する働きも担っています。胃潰瘍や逆流性食道炎に非常によく使用される薬剤ですが、特にPPIは胃酸をほぼ完全に出なくしてしまって、本来の胃酸の機能が行えなくなる弊害の強いお薬です。腸内環境への影響で言えば、胃酸で殺菌し切れなかった細菌は本来侵入すべきでない腸に運ばれ、腸内細菌の陣地を犯します。

逆流性食道炎は食事内容や生活習慣、時にピロリ菌の影響を受ける可能性のある疾患ですが、根本解決されることなく漫然と長期にPPIが投与されていることが多いのが現状です。たかが胃薬と思って患者さんはもちろん残念ながら医師も、気軽に続けていることもよくあります。

②痛み止め

  腰痛や関節痛など、慢性の痛みに対し、長期にわたり投与されると、腸内細菌や腸粘膜の粘液にダメージを与えます。運動不足や姿勢が原因の痛みではないですか?痛みは、身体の悲鳴ですよ。根本解決しないで鎮痛剤に頼っていないでしょうか?

③抗生物質

細菌感染に対し、やむを得ず使用されるものですので、致し方ないのですが、抗生剤の腸内細菌に対するダメージは甚大です。日頃から免疫をあげて感染症に罹らないよう、また、適切な使用を心がけましょう。

その他、腸内環境に影響を与えうる薬剤には、ステロイド、抗うつ薬、糖尿病治療薬、降圧剤、コレステロール降下薬、経口避妊薬、ホルモン補充薬など数多くのものがあります。

すでに病気をお持ちで必要不可欠なものもあると思います。もちろん勝手に中止してはいけませんが、もしも運動や睡眠、食事などの生活習慣の改善によって減量または不要になる可能性のあるお薬があるならば、腸内細菌を乱す原因になり得るお薬を少しでも減らすことが、さらなる病気を引き起こさないために、非常に重要です!!

ご自分が投与されているお薬、目的や作用をご自分で把握しておきましょう!

食事がつくる発達障害③の2 過剰な清潔志向

腸内環境悪化の原因 その4 過剰な清潔志向

もともと日本人は清潔好き。世の中抗菌・抗ウイルスグッズであふれています。

除菌、消臭、殺菌はルームスプレーやトイレの芳香剤、洗濯洗剤や柔軟剤、お掃除グッズ、あらゆる場面で使用されているのが当たり前の風景。特にコロナ禍以後、ますますマスクや手のアルコール消毒が津々浦々に浸透しました。

でも、ちょっと待ってください。その除菌、抗ウイルスが、腸内細菌にダメージを与えるって、ご存知ですか?

腸内細菌にダメージを与えるという事は、腸内環境を乱して、発達障害にも影響を与える可能性が高いという事に繋がります。 

実は、生物の身体には長ーい長ーい地球の歴史とともに先住者である細菌やウイルスなどの微生物と共生して生きる機能が内蔵されています。その代表が腸内細菌。多種多様な腸内細菌の集まりは腸内細菌叢や腸内フローラとも呼ばれます。同様の細菌叢は、腸以外で外界と接する皮膚や粘膜(気管や肺の粘膜、膣など)にも存在し、身体にとって有害な微生物が定着するのを身体を張って防ぐことで、私たちの身体を守ってくれていることがわかっています。

抗菌グッズたちは、有害な微生物とともに、私たちの身体に必要不可欠な腸内細菌にまでダメージを与えます。腸内細菌がダメージを受けると、腸内環境が悪化し、自律神経やホルモン、などを介し脳に多大な影響を与えます。つまり、思考力、判断力、認知機能などが影響を受けかねないという事です。当然、認知症や発達障害とも無関係ではいられませんね。

また有害な微生物を攻撃する身体のシステムが「免疫」です。細菌叢が存在する皮膚や粘膜では、多くの免疫細胞が待機していて、常時有害微生物の侵入に目を光らせ、侵入を未然に防いでくれているはずです。

つまり、皮膚や粘膜の細菌叢はそれぞれに陣地をはって外敵が定着するのを防ぎ、万一侵入しそうになったら免疫細胞が攻撃してくれているんです。

もしも、国をまもってくれる自衛隊が毎日の訓練を怠って、休憩していたらどうなるでしょう?実際に敵が侵入してきたとき、実働部隊は素早く対応することができるでしょうか?

「常時多少の有害微生物の侵入」があることこそが、免疫細胞の「訓練」になっていることをご存知でしょうか?人との接触を避けて抗菌グッズを使いまくり、マスクで病原体の侵入を防ぎ続け、消毒をし続けるという事は、陣地をはって敵の侵入を妨害してくれる細菌叢を壊し、免疫細胞に「訓練」のチャンスを与えず、自ら敵に立ち向かう免疫力を落とし続けていることに他ならないのです。コロナ禍以後そうした生活を強いられた私たち、みんなの免疫が低下している証拠に、かつてないほどのインフルエンザその他の感染症の流行が子供を中心に問題になっています。

感染症科の医師は、有害微生物の専門家ですが、感染症の予防には微生物を避けることしか提案してくれず、免疫を育てることは一切教えてくれません。彼らがこんな本を見てどう思うのか、わかりませんが・・・

さあ、今日から、偏ったテレビの報道に惑わされず、適度な不衛生で、免疫を鍛えましょう!!

適度な不潔が免疫を育てる。 – bihada kokoro eiyo (i-vitaminheart.info) 2021年8月の当ブログの記事です・・・

※本当に恐ろしい微生物の流行なのかどうか、回避し続けるべき時期なのか、利権や権威に左右されず、国民の健康、幸せを本当に考えた政策・報道を行ってくれる日本になってほしいと切に願います。